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上司の命令で「仮装参加」するハメに。歓迎会で起きた若手社員の悲劇

学び

せっかく仮装したのになぜか塩対応

「リアクションを全然くれないんです。笑っても、いじってもくれない。巨乳の先輩、メンヘラ男の先輩も同様の無視。ウサ耳の先輩だけは『かわいい~』と大人気でしたが……。

 変な格好をしている僕らをあえていじらず、スベらせていたぶる“スベり芸”のようなものなのかとも思いましたが、それにしても反応がない。ということで、上司にお酌するついでに話しかけてみたんです。あえて金色の部分を強調するような感じで、さりげなく……」

「ウケ」に対する貪欲さのすごいSさんですが、上司が発したのは驚愕の一言でした。

「あのさぁ、それ何なの? 目ざわりだからやめてくれない?」

「何って……あなたが言ってた仮装ですよ!」と心の中で叫びつつ、努めて冷静に答えたSさん。

「えっ、C-3POの仮装です。昨日の夜『仮装してくるように』って……」

トイレでパウダーを落とすハメに…

嫌な上司

 すると上司は突き放すように、「もう飽きたからいいよ。目ざわりだから落としてきてよ」。そう言ったそうです。

「上司への怒りと、この人におもねろうとした自分の情けなさが一気に湧き出し、しばらく動けず……泣きそうになってしまいました。まぶたまで金ピカパウダーを塗り込んでいたので、泣くと激痛が走ると思い必死に抑えましたが……」

 昨日、件の上司とともに飲んでいたという他の上司も結局ダンマリ。金ピカのまま苦言を呈されるSさんをかばってくれる社員は、誰もいなかったといいます。

「その後、会社に戻ってトイレでパウダーを落としていると『巨乳』と『メンヘラ男』の先輩が来て、洗うのを手伝ってくれました。みんなで手を金ピカにしながら身体を洗ったのは、今となってはいい思い出です」

 と語るSさん。当該上司はその後、別のパワハラ事案によって部署を移動し、今はのびのびと働けているようです。

特集・令和の「ブラック企業」事件簿

<TEXT/浅原浩>

働きながら副業でライター。元老舗出版社勤務。メタルと文鳥が大好きです

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