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インターン生が忘年会で粗相。なのに上司の評価はプラスだったワケ

学び

上司の意外な反応。日頃の行いが功を奏した?

 安田さんはこれまでの経験から、休み明けに上司から「幹事の管理力不足」と、叱責される覚悟をしたといいます。しかし、安田さんの予想とは裏腹に、職場からのインターン生の「やらかし」の反応は意外に寛容でした。

「彼の失敗を報告したところ、上司をはじめ、二次会に参加していなかった人たちは笑って『やっちまったな』と言う程度。注意もせいぜい『次からは気をつけろよ』くらいで、むしろ彼の失敗を怒るというより、イジっていましたね」

 安田さんは、これまで見てきた忘年会で失敗して叱責を受けた人たちとインターン生の反応の違いの理由を、以下のように分析しています。

「ひとつは、彼の普段の職場での立ち振る舞いです。彼はインターン生ながら振られた仕事はしっかりとこなして評価も上々でした。その一方で、会話は苦手でランチに行っても自分から話すことはほとんどありませんでした。そんな彼が社内トラブルにならない程度の失敗したことは、誰もが親近感とか、『可愛げ』があるやつだと感じたのではないでしょうか」

内定辞退されたら責任を問われる

辞退

「あとはインターン生という立場もありますね。社会人と比べると責任はありませんし、採用難時代の期待の新人候補を厳しく叱責して、内定辞退されてしまっては、怒った人が責任を問われかねません」

 安田さんは、社内の反応にインターン生が増長してしまうのではないかと不安になりましたが、本人は恐縮してそれ以降、無茶なお酒の飲み方をしなくなったといいます。そして今では彼の失敗は酒の肴になり、職場に馴染む大きなきっかけになりました。

「バーに謝りに行って一緒に頭を下げたら出禁もあっさりと解禁しました。彼の失敗から1年経った今ではマスターもいじっていますよ(笑)。普段の行いが良くて、社内に遺恨を残さない忘年会の失敗は、むしろみんなが喜ぶネタになると確信しましたね」

 安田さんの分析に当てはまる若手社員は今年の忘年会は、可愛げのある程度のやらかしにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。ただし、何が起こっても自己責任ですが。

特集・忘年会にまつわるエトセトラ

<TEXT/藤冨啓之 イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>

WEBコンテンツ制作会社「もっとグッド」代表取締役。ライター集団「ライティングパートナーズ」の主宰も務める。オウンドメディアのコンサルティングのほか、ビジネス・社会分野のライターとしても活動

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