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PayPay「100億円キャンペーン」を20代はどう見た?スマホ決済アプリ勢力図

コラム

キャンペーンで急増したユーザーの性別は?

 行動ログから、昨年10~12月のPayPayユーザー属性推移を見てみましょう。

 PayPayサービスインの10月は10%にも満たなかった女性ユーザーが、12月にはなんと4倍弱の36%に急増しています。やっぱり女性はお得が大好きですね。

決済アプリ

図表3 PayPayアプリユーザー数の月次推移(男女別)

キャンペーンで変化した年齢層の割合は?

 年代別に見ると、10月には14%だった50代以上のユーザーが、12月には27%に急増。特に60歳以上の増加が顕著です。相対的に当初38%を占めていた20代が24%へと、14ポイントも減少しました。

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図表4  PayPayアプリユーザー数の月次推移(年代別)

 筆者が平日昼間のビックカメラで複数目撃したのも、初めて決済アプリを手にした様子の、リタイア組と思しきシニアカップルで、連日の報道でPayPayを試す気持ちになったユーザーが多かったと考えられます。

 行列に至るほどではないので、案外面倒な支払い手続きにもそうストレスは感じません。時間に余裕があるシニアやフリーランスは、過熱報道からお得だけを知り、行列を避けた空いた店舗でゆっくり買い物できちゃうのです(休日や就業後に並んだみなさん、ごめんなさい)。

最も増加が顕著だった年収ゾーンは?

 行動ログからは、お金持ちユーザー比率が増加する傾向も明らかに。世帯年収1000万円以上ユーザーは10月から3ポイント、800万~1000万円未満ユーザーは2ポイント増加し、12月時点で合計27%に到達しています。

 最も増加が顕著だったのは400万~600万円未満と600万~800万円未満の平均的なユーザーで、それぞれ7ポイント、8ポイントシェアを拡大しました。

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図表5  PayPayアプリユーザー数の月次推移(世帯年収別)

 逆に10月時点で48%と半数近かった世帯年収400万円未満ユーザーは28%と、20%も減少しています。

キャッシュレスに対して柔軟なユーザー層は?

 PayPayアプリユーザーがほかに使っているアプリのうち、一般ユーザーよりも特徴的に利用が多いアプリからは、ネットショッピング好きとキャッシュレス決済への関心の高さが明らか。

 1位はAmazon、2位の楽天市場はいずれも50%以上のユーザーが利用しています。6位Yahoo!ショッピングもユーザー全体より16%利用率が高く、スマホでの買い物が日常的とみられます。

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図表6 PayPayアプリユーザーの利用が特徴的に多いアプリ(※オレンジはショッピング、黄色はキャッシュレス決済関連)

 3位おサイフケータイや4位Google Payはじめ、決済アプリの利用率が高いのも特徴的です。とくにGoogle Payや楽天ペイは全体リーチ率が10%にも満たないのに、PayPayユーザーは20%以上が利用。Tポイントも35%と3人にひとりが使っている計算で、決済ポイントに敏感なユーザー像が浮かび上がります。

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