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「身内の甘ったれがあったのではないか」行政による“雇用数水増し”に驚愕

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中央省庁の本格的な障害者雇用が始まった

 中央省庁で障害者雇用数が水増しされていた問題を受けて、厚生労働省が各府省庁の職員を対象に、障害について正しい知識を学ぶ講座を初めて開いたのは10月29日でした。

 東京の霞が関の厚労省の講堂で開かれた講座には、各府省庁から計約580人が参加しました。

 そして初めて同省の北條憲一雇用開発部長が「学んだことを職場に持ち帰り、障害者の応援者になって雇用を進めて欲しい」と投げかけました。

 法定雇用義務化当初から遅れること42年、ようやく中央省庁の本格的な障害者雇用が始まったところなのです。

中央省庁「障害者雇用数の水増し」驚愕の実態

障害者

※画像はイメージです(以下、同じ)

 法定雇用率のペナルティーがない行政にとっては、民間企業がどれほどの努力をしてきたかを学ぶべきでしょう。

 10月22日に公表した弁護士ら第三者による「検証委員会」の調査報告書の内容は驚愕する内容でした。水増しされていたのは28機関の3700人。このうち91人は在職歴はあるがすでに退職しており、うち少なくとも3人は死亡しているとも

 採用内定者などで在籍したことがない人も2人いました。また、7割に当たる2579人は障害者手帳の所持が確認できない上、健常者や実際の健康状態が確認できない人、対象障害者でない人だったのです。

 10年前に辞めた人や、人事担当者の見た目で精神障害者と数えたり、裸眼で0.1以下の人を視覚障害者に数えたりしている例も多数あったということで、なんとも杜撰な数合わせで、結果として国税庁1103人、国土交通省629人、法務省512人、防衛庁332人、農林水産省219人の順で不適切な計上が多くありました。

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