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レジェンド声優・山寺宏一「僕はSNSを気にする気弱な61歳」仕事への“意欲”も

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声優か声優じゃないかなんて境はない

――ちなみに生田さんうんぬんではなく、声優が本業ではない「タレント声優」問題がしばしば話題に上がりますが、ご自身の見解はありますか?

山寺:僕の昔の発言が時々ネットに出回るんですよ。僕が声優以外の人がやることに対してものすごく反対しているみたいな。「あんなこと言ってたくせに、ゲスト声優と仲良くやってる」みたいに叩いてくる人がすごくいるんです。二枚舌だとかね。

 でも、声優か声優じゃないかの境はないんですよ。たとえば戸田恵子さんは30年以上アンパンマンをやられて、「キャッツ・アイ」の瞳役から何からず~っと声優をされてますが、女優としてもずっと活躍されていますよね。

 声優なのか女優なのか? どっちだっていいんです。声優やるときは声優で、俳優の仕事するときは俳優、舞台をやるときは舞台役者。レギュラーじゃないからゲスト声優というだけで、普段から声優の仕事をたくさんしている人だって、ゲストで出ればゲスト声優ですから。

 要はね、その仕事ができるかできないかです。まあ、その判断だって誰がするんだって話ですけど。何がいいかなんて全部主観ですから。はっきりとした基準はないし、聞いた人、見た人がどう思うかでしかない。僕は、今回のヒポポは素晴らしかったと思う。

映画は「大ヒットしたほうがいい」

かいけつゾロリ

(C) 2022 原ゆたか/ポプラ社、映画かいけつゾロリ製作委員会

――作品のなかで、その役が輝いていたならそれでいいじゃないかと。

山寺:まあ、ぶっちゃけて言えば、めっちゃうまくて、その役にピッタリで、宣伝効果がある人がベストです(笑)。だってみんなに観てほしいから。好きな人だけがちょっと観てくれればいいなんてないですよ。

 みんな苦労して、いろんな人が関わって作ったんだから、大ヒットしたほうがいい。「作品性」と「宣伝効果」のどちらを取るかとよく言いますが、どっちも大事です。今回、両方を叶えてくれる生田さんに、僕は本当に感謝したいです。

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