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15万円の職場飲み会費を借金。「大手企業の伝統」に苦しむ25歳の告白

コラム

10万円に及ぶ飲み会の支払い

 定期的に行われる会社の飲み会では、新人が幹事を任命されることが多いのだそう。

「月に一度の社内懇親会と年間行事での飲み会があるのですが、新人が全員分の会計を立て替えるという会社の慣例があります。後日、参加者からお金を回収するものの、毎回クレジットカードで支払う金額は、一次会、二次会を入れて10万円に及ぶこともあるんですね。私のクレジットカードの限度額は15万円までなので、残高がマイナスになることも多く、ギリギリの生活を送っています」

 飲み会への出費が大きいことから、プライベートで使うお金にも気を遣うようになったとか。

「なるべく現金で支払うようにしたり、引き落とし日前は出費を抑えるように心がけています。残高がマイナスになると、毎月コツコツと貯金している別の口座から差額分を引き落とさなければならず、自分のお金を好きなように使ったり、貯金できないことにもどかしさを感じています

結果、借金を背負うことに

 支払った金額が返ってこないケースもあるといいます。

「後日、参加費を集めるのですが、何度伝えても忘れてしまう人は稀にいます。結果、上司に何度も催促しづらくなり、私が余分に支払うこともあります。もちろん催促できない私が悪いのですが、会社で毎日顔を合わせるたびにお金のことを話すことも気が進まず……」

 その結果、関根さんは最悪の事態に陥ります。

「過去最大の参加者人数20人の飲み会では、約15万円を支払いました。家賃や生活費なども払っているため、次の月の請求金額が一人では払えないほど高くなってしまい……。恥ずかしながら母親に借金し、徐々に返しているところです

 コロナが流行したことにより、社内での飲み会は減ったそう。現在は大惨事は免れたものの、大手企業だからこそ、いまだに過去のしきたりが文化として残っている会社もあります。ですが、関根さんのように身を削ってまで守る必要はあるのでしょうか。今後、新入社員の入社後のギャップを減らすためにも、見直すべき点なのかもしれません。

<TEXT/Honoka Yamasaki イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>

―特集[本当にあったブラック職場]―

ライター、ダンサー、purple millennium運営。
Instagram :@honoka_yamasaki

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