不動産業界「ファックス文化」に“変化の波”。ハンコ、印紙税…業者の本音は
オンライン不動産業者の本音は?
現に、物件検索から契約までをオンラインで全て行えるサービスを打ち出す企業もあります。
今回の法改正に先立ち、全スタッフがリモートワークで賃貸・売買の仲介営業を行ってきた株式会社kantでは、オンライン不動産サービスを2019年から提供してきました。
同社の営業リーダー・木村隼人さんはインタビューに対し、「不動産取引のオンライン化が進むと、不動産業者が店舗を構える立地に制約がなくなるので、ネットで部屋探しから契約ができる会社が増えてくるのではないでしょうか」と言い、ネット不動産が増えるとの考えを示しました。
今後は契約書もネットで結ぶのが一般的に
たとえば、ネット経由での集客ができ、営業スタッフと顧客との商談がオンライン中心になれば、駅前や幹線道路沿いの1階に店舗を構えなくてもよくなると考えられます。また法改正による変化について木村さんは、次のように話してくれました。
「当社ではこれまで、お部屋の提案から内見・契約締結に伴う事務手続きまで、ほとんどのプロセスをオンラインで行えるようサービスを構築してきました。内見については、物件に足を運んで部屋を確認したいとおっしゃるお客様が多いですが、契約については以前から『オンライン完結できるようになったらいいな』との声をいただいていました。
最初は、事業者・利用者ともに新しい動きへの抵抗はあるかもしれませんが、便利さが浸透することで比較的早い段階で業界のスタンダードはオンライン中心の取引に移行すると予想しています。
たとえば、賃貸契約時のIT重説も、開始時は不安を感じる方が多かったのではないかと思います。でも事業者側が慣れてしまえば、お客様にとってはメリットが大きく、現在ではIT重説が当たり前となりました。今後は契約書もネットで結ぶのが一般的になってくると思います」