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「トヨタグループのホテル」元支配人が明かす、親密な付き合いとなる“女性”との出会い

ビジネス

客の嗜好に合わない状況を乗り越えるには

レクサスオーナーに愛されるホテルで学んだ 究極のおもてなし

『レクサスオーナーに愛されるホテルで学んだ 究極のおもてなし』(KADOKAWA)

 ホテルやレストランには様々な嗜好を持ったお客様が訪れる。それゆえに、お客様の嗜好にハードが合わない状況は必ず出てくる。そんなとき、「しょうがないじゃん、テーブルの大きさは変えられないのだから」と思うのではなく、ハートでハードのマイナス要因を可能な限りケアするのだ。おもてなしをするスタッフの心は、間違いなくハードを超える。

 4人の奥様方が食事を済ませ、お帰りになろうとしているとき、私は「テーブル狭かったですよね?」とお声掛けをした。このときに大切なのは、「テーブルが狭くてすみませんでした」と断定的に言わないことだ。

 狭いのは事実だが、それをレストラン側で断定的に言ってしまうと、「それを知ってて案内したの?」と受け取られかねない。それを避けるために、疑問形でお聞きするのがいい

「そんなに狭くなかったわよ。食事中、いろいろと気を遣ってくれてありがとうね」。4人からは、こんな言葉が返ってきた。この4人の方たちの1人が、私が16年間にわたってテラス蓼科で働く中で最も親密にお付き合いさせていただくことになる田中敦子さんだった。

親密な付き合いとなる女性との出会い

 敦子さんのご主人はトヨタ自動車の海外畑で活躍され、副社長まで務められた方だった。しかしながら、敦子さんがテラス蓼科に来られたときには、ご主人はすでにお亡くなりになられていた

「主人とはまだ蓼科まで高速が通ってなくて、道中にもお店なんて何もなかったころから来てるの。蓼科に来ると、なぜか主人がいるような気がしてならなくてね。露天風呂に入るときには、いつも八ヶ岳に向かって手を合わせるのよ」

(トヨタの人たちは、それぞれがいろんな思いを抱いて蓼科に来るんだな……)。敦子さんとの出会いは、トヨタにとって切っても切れない蓼科で働くことの意味の大きさを感じた一瞬だった。以来、敦子さんはトヨタOBの会などを含めると、ほぼ毎月のペースでテラス蓼科にいらっしゃった

レクサスオーナーに愛されるホテルで学んだ 究極のおもてなし

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