かつや、マクドナルド…コロナでも収益アップした飲食店の秘密
お客さまが求めているものは何か?
テイクアウトという面では、焼き鳥や中華料理も、コロナ禍で需要が伸びました。これらの共通点は、食べたいけれど、家では作りたくない料理です。どれもがんばれば家で作れないわけではありませんが、ステイホームで家族の食事を三度三度作らなければならないという状況で、手のかかる面倒な料理は主婦層に真っ先に敬遠されます。しかもにおいが強かったり、油汚れなど後始末の大変な料理は、できれば避けたいのが人の心理です。
そんな面倒なことをプロにアウトソーシングしたいというニーズに応えたのが、焼き鳥などのテイクアウトメニューだったのです。大切なのは、「何を売りたいか」ではなく、「お客さまが何を求めているか」です。
市場の深層心理を読み、そのときどきの状況に即したニーズをつかむことで、苦境の中でも需要を伸ばすことが可能なのです。
テイクアウトサービスを行っていることを迅速に訴求するには、自店のホームページと SNS発信が必須です。高級レストランでもテイクアウトを急遽始めたところが増えています。高級店はその店に行かないと味わえない希少価値があるので、ネット販売で「特別感」「限定感」をアピールすることで、人気店の高級おせち料理のように需要を伸ばせると思います。私なら、たとえば店の上質なテーブルクロスも料理とセットにして店の世界観を自宅でも楽しめるような仕掛けをします。
お持ち帰りを1秒でアピる3つのアイテム
テイクアウト商品を店頭でお客さまに訴求するには、3つのアイテムが有効です。
1つ目は、A2サイズの「ポスター」です。ポスターに「お持ち帰りできます」「お持ち帰りOK」という文字、テイクアウトメニューの絵と価格を表示し、店頭のいちばん目立つところに貼りましょう。ポイントは「お持ち帰り」「料理」「価格」という基本3要素を、お客さまが1秒で目視できるように「くっきり大きな書体」「シンプルで明快なデザイン」にすることです。
2つ目は「のぼり」です。のぼりにも「お持ち帰りOK」と大きな字で明示して、店頭の目立つところに立ててください。風に揺れるのぼりには、あれこれ細かな文字情報を入れても視認できません。 ポスターと同様、見た人が1秒で内容が理解できるよう、「くっきり大きな書体」「最小限の文字数」のデザインにしましょう。なお、コロナ禍でのぼりの需要が激増して品薄状態なので、早めに揃えておくことをおすすめします。