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「自由な発想でやりたい」という人ほどアイディアが枯渇する理由

学び

こうした質問はどういう意味が…

チェック

 もちろん、現時点ですべて固まっているわけではないようでしたが、ぼくがしたすべての質問について明確に説明してくれて、議論は非常に盛り上がりました。

 前述の質問は、いわゆる「フレームワーク」に紐づいて出したものです。手法はマーケティングミックス(4P)、5Why、3C、因数分解などさまざまです。

 起業家の彼は、「厳密にこれらのフレームワークを活用しているわけではない」と言っていましたが、今までの経験から本質的に重要なポイントを自然に身につけており、アタマの中でフレームができていたようです。だからこそ、このような質問をいきなり振られても、豊かなアイディアで答えることができるのです。

 ここで、マーケティングミックス(4P)、5Why、3Cについて解説します。

マーケティングミックス(4P)、5Whyとは?

チェック

(1)マーケティングミックス

 マーケティングの手段を「製品(Product)」「流通チャネル(Place)」「プロモーション(Promotion)」「価格(Price)」の4つに分けて考える手法です。このフレームによって「今は製品について話しているな」「さっきからずっとプロモーションの話ばっかりしているけど、どうやってお客さんに購入しやすい状況を作るか(Place)の話も必要ではないか?」のように、全体を捉えた議論ができるようになります。

(2)5Why

 日本語では「なぜなぜ分析」と言われる要因分析の方法です。何らかの事象があったときに、「それはなぜ起こったのか?」と5回深く掘り下げていき、本当の原因にたどり着くために使われます。

例)TOEICの点数が低い
■なぜか?→必要な勉強をこなしていないため
■なぜか?→継続的に勉強をするモチベーションが保てないため
■なぜか?→TOEICの点数が上がるための努力の道筋が見えていないため
■なぜか?→お金をケチって適当なWeb記事を読むことしかしていないため
■なぜか?→TOEICの点数を上げるスクールは高額なイメージがあったため

 ここまで掘り下げていくと、「TOEICの点数を一気に上げた友人を探して、どんな勉強法 or 予備校にいっていたか聞いてみよう」など、具体的な打ち手が出てきます。

フレームワークの「3C」とは?

3C フレームワーク

(3)3C=「顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」

 3Cとは自社の製品やサービスについて、

■「顧客」は誰だろうか? その顧客はどんなものを欲しがっているのだろうか? それを欲しがっている理由は何か?
■「競合」は誰だろうか? なぜその企業を競合として設定したのか? 競合に勝っているところ、負けているところはどこか?
■「自社」で活用できるリソースはどんなものがあるか? そのリソースを活用することで、現在大きくしようとしているビジネスはどれだけ伸びるか?

 などと考えていくのです。因数分解は、事業の内容を分解し、それぞれについてどう伸ばすか考えていくことです。

 例えば月額のサブスクリプションサービス(Amazon PrimeやNetflixなど)のビジネスを因数分解すると、「総売上 = 加入者の総数 × 年間平均課金額 = 総売上」と分解できます。さらに「加入者の総数 = 現加入者 + 新規加入者 – 退会者」となるので、ここをあげるには「新規加入者を増やす」もしくは「退会者を減らす」という方向性が見えてきます。

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