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サントリー、消毒用アルコールの無償提供も。コロナ後も堅調は続く?

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業績推移:コンスタントに利益が

 では、これらを踏まえて業績推移を確認しましょう。今回はサントリーホールディングスの「業績ハイライト」グラフが綺麗にまとまっていたので、こちらを活用して状況を把握していきます。

 売上は増加傾向・利益は横ばいでした。利益が横ばいといっても、2500億~2600億円規模の営業利益を毎年コンスタントに出しているので、安定した経営状況であることが伺えます。この状況だからこそ「利益三分主義」も実現できるのでしょう。

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図1:連結売上収益・営業利益推移(業績ハイライトより引用)

 引き続き、事業セグメント別売上を確認します。祖業が赤玉ポートワインやウイスキーであるため、酒類が主力の会社であるイメージが強いですが、近年は清涼飲料・健康飲料(いわゆるトクホ飲料)が売上の過半数を占めています。「その他」の部分で意外だったのは、「花」の事業でした。子会社(サントリーフラワーズ)もあり、青いカーネーションや青いバラのブーケの販売を行っています。

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図2:セグメント別売上推移(同上)

海外市場にも積極的に進出

 地域別にみると、日本が全体の6割を占めており、残りを米州(アメリカ)、欧州(ヨーロッパ)、アジア・オセアニアで3等分している格好でした。

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図3:地域別売上推移(同上)

 海外進出していても、売上にうまく反映されない日本企業がそれなりにある中で、順調に推移していると考えられます。なお、サントリーの決算短信のセグメント別業績は上記で示した「地域(日本・米州・欧州・アジア・オセアニアの5か所)」で分けられており、地域別の状況を重視していることが伺える内容でした。

 通常、他社の場合は「事業の種類」でセグメントを分けることが多く、飲食店・スーパーのように業態・店舗名が異なっていても「同じ仕組みのビジネス」を扱っている場合はセグメント別業績の記載を省略することもあります。そのため、比較的珍しい分け方だと感じました。

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