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令和に蘇った「マネーの虎」。仕掛け人に聞く、復活の経緯と反響

コラム

基本的には「志願者の味方」

――岩井さんなりに、志願者を選ぶ決め手のようなものはあるのでしょうか?

岩井:本番をイメージするにあたり、虎たちと上手くコミュニケーションを図れるかを面談の段階でみきわめています。収録が2時間ほどあるので、やはり場を持たせられるかは重要で、こちらの質問に対する回答があまりにもズレている場合は出演を見送ります。

 一方で、初めから完璧な事業プランを求めているわけではありません。じつは、番組のエンターテインメント性を重視する中では「キャラクター枠」を設けていて、志願者に「ちゃんとしたプランでなくともいいから、キャラクターでとにかく勝負してみなよ」とアドバイスをするときもあります。

――かつての「マネーの虎」では虎側として出演されていましたが、現在の「令和の虎」では視聴者からみると司会者としての立ち位置。場を仕切る中で、意識していることはありますか?

岩井:番組では、虎たちに事業プランがめった打ちにされる方もいますが、本音では、誰一人として「虎にボコボコにされろ」なんて思っていません。だから、あくまでも基本的には「志願者の味方」というスタンスを貫いています。

一番印象に残っている志願者は?

岩井社長

――これまでの志願者の中で、印象的だった方はどなたでしょうか?

岩井:みなさん記憶に残っているのですが、番組を通してチャンスをつかみ、現在、大阪で宮大工養成塾を営んでいる金田優くんはとりわけ印象的だったかもしれません。

 彼は「宮大工の技術を残して神社仏閣の伝統を残す」という、正直にいえば儲かりそうもない提案で勝負をかけてきたのですが、本番で、虎たちからの出資を無事に受けられた瞬間にとてつもなく感動しているのをおぼえているんですよ。

 その後、今年に入ってから入塾式が行われ、全国から7人の塾生が集まっていたのですが、直後の食事会で彼らのお父さんやお母さんが一人ひとり挨拶をしていたのも印象的でした。

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