bizSPA!フレッシュ

新型肺炎「市中感染のおそれ」がある中、冷静な対策とは?

暮らし

マスクの付け方より「使い捨て」の徹底を

マスク 薬

 医療従事者が使用するタイプの薄い「サージカルマスク」の付け方を説明するサイトもSNSでバズっていました。

 私は20年以上前に医学部を卒業しましたが、学生時代、手術室に入る際の「布マスク」の付け方を学びました(正確には、手洗いをした後は自分ではマスクは結ばず、後ろにいるスタッフに結んでもらいました)。

 しかし、ディスポ(使い捨て)マスクの使用法は、誰からも学びませんでしたので、大変勉強になりました。

 もちろん、今の時期に流行するインフルエンザや風邪の予防、そして花粉症対策の観点からすると、マスクをすることはいいことです。

 マスクをすることや、より正しくかける大切さを否定はする気はありません。しかし、そもそも実際の感染者に接する医療スタッフが、サージカルマスクやN95マスクをするのとは違い、街中での予防を考えた時、「マスクを正しい向きにしたら感染予防がより効果的か」については、疑問を感じます。

 ディスポのマスクは、正しい向きにつけることよりも、マスクを外したら捨てて新しいものをつけることのほうが効果的でしょう。医学部の授業では、ディスポ製品の再利用は厳禁と学びました。数に限りがあって難しいとは思いますが、なるべくきちんと新しい物を付けたいものです。

ワクチン開発に時間がかかるのは「当然」

 トイレに設置してあるハンドドライヤーは、ウイルスをばらまくから危険との報道もありました。

 しかし、そもそも、しっかり手洗いをすれば、手についているウイルスは減っている(滅菌ではなく減菌状態)ですので、騒ぐほどのことでもない気もします。

 新型肺炎に対するワクチンや特効薬の開発が世界で始まるようです。

 嬉しいことですが、今後、数週間でできるようなものではなく、数か月や年単位、場合によってはできない可能性もありますから、そんなに期待をしないようにしましょう。

 だからといって悲観する必要はありません。普通の風邪も、ワクチンも特効薬もありません。でも人類はそれで生活しています。それと同じです。

おすすめ記事