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京急脱線事故から1か月。踏切事故を防ぐには…私鉄各社に聞いた

ビジネス

西武鉄道

京浜急行電鉄

30000系、40000系、001系Laview(写真)は、安全対策を強化

① 13か所に設置。合わせて、2D式障害物検知装置(レーザー光を踏切道面と平行に照射して、踏切上を面で検知する方式)も7か所に設置している。

② ATS、ATCに関係なく、自動で非常ブレーキがかかる仕組みはない。なお、ATSと連動し、非常ブレーキがかかる踏切は4か所ある。

③ クラッシャブルゾーンを採り入れている車両はない。安全性について補足すると、30000系以降の車体設計については、コンピューター解析を行ない、振動、衝撃に耐えられる構造としている。さらに、中間車の妻構体同士で対抗する列車がオフセット衝突することを想定し、妻柱部の強化および形状の工夫(Cカット)を行なっている。また、正面衝突時の構体変形についても考慮し、コンピューターによるシミュレーションにより想定外の事故においても生存空間の確保ができるものとしている。

京王電鉄

京浜急行電鉄

2代目5000系

① 一部の踏切に設置。現在はさらに高い精度で検知できる高機能型への更新を進めている。

② 踏切内に何らかの障害物を検知すると、運転士に異常を知らせるとともに、付近の列車を自動的に停止させる。

③ クラッシャブルゾーンを導入した車両はない。ちなみに、2代目5000系では、車両の角部分を減らす構造にして衝突の衝撃を減らす工夫を行なっている。

小田急電鉄

京浜急行電鉄

70000形GSEは、2号車の小田原寄り、6号車の新宿寄りに緩衝材を設置

① 自動車、歩行者などの通行量などを踏まえ、4か所に設置している。なお、2019年6月19日に脱線衝突事故が発生した踏切には、設置していない。

② 2015年度以降、全線で運用している自動列車停止装置(D-ATS-P)の1機能として、自動で非常ブレーキが作動する。

③ 先頭車の前面にクラッシャブルゾーンを導入した車両はない模様。最新の特急ロマンスカー車両、70000形GSEは衝突安全対策として、先頭部と車両連結間に緩衝材を土入するなど、特殊な構造を用いている。

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