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自殺、孤独死…「事故物件サイト」の若手社員が語るリアル

ビジネス

事故物件の印象は10年前も変わらない

事故物件

「必要な人たちに向けて情報発信を続けたい」(有馬)

――事故物件のイメージを教えてください。

有馬:孤独死に関しては在宅死と同じで「自宅でなくなった」ことだと思っています。看取ってくれた家族の有無だけで物件の価値に違いが生まれてしまうのは、亡くなられた方も不本意なのではないでしょうか。ニオイなどの物理的な理由は別にして、心情的に大きな違いはないと考えています。

 ただ、やはり自分が事故物件に住めるかと言われたら抵抗はあります。妹にこの仕事を説明したときに若干引かれましたので(笑)。だからこそ、無理にイメージアップを図るのではなく、必要な人たちに向けて情報発信を続けることで供給できればと考えています。

――今後の事故物件の価値に変化はあるでしょうか。

佐藤:私は10年ほど不動産業界に携わっていますが、「事故物件は気味が悪いもの」「自分とは関係ない」という社会的なイメージは変わらないと思います。実際、いまだ事故物件の取り扱いを渋る業者も少なくありません。社会的孤立に陥りやすい単身世帯が増加して、事故物件もこのまま増え続け、業界も「嫌だ」とは言っていられない状況になると私たちは考えています。

 なによりも家賃を大きく割り引かざるを得ない事故物件は、オーナーさんにとっては大きな負担。その負担を少しでも軽減するために不動産仲介会社を通すのではなく、オーナーさんが成仏不動産を通じてお客様とやりとりできる環境を構築するのが私たちの最終的な目標です。そのためには、戸建ての事故物件に太陽光パネルを設置するとか、賃貸の物件を他の部屋よりもグレードアップしてリフォームするなどの付加価値を付けるなどの提案もしていきたいと考えています。

 ホラーの題材として注目を集めるのも良いと思いますが、より多くの人に事故物件を現実として捉えてもらえるように活動を続けていきます。

<取材・文・撮影/藤広冨之>

本業は会社員のWebコンテンツディレクター。アラサーで上京し、複業でライター集団「ライティングパートナーズ」の主宰を務める