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大塚家具、32億円赤字と業務提携。生き残りの斬新なアイデアとは…

ビジネス

「ロジカルシンキング」だとこうなる

 大塚家具は高級家具を販売する(お父さんの匠大塚がやっている)方向性から決別し、買いやすい価格帯の家具とインターネット販売にチェンジします。

 高級家具(一生モノ)とニトリやIKEAなど低価格(使い捨て)との中間の需要を狙った……これは論理的な考えとしては正しいでしょう。

 ですが、結局、大塚家具は身売りしなければならない状況に陥ります。なぜなら、そもそも需要全体がシュリンクしているのだから中間需要「隙間」を狙っても焼け石に水。これが論理的な考え方の限界です。

需要がないのだったら、需要を作り出す

追い詰められたビジネスマン

※画像はイメージです(以下同じ)

 では、ラテラルシンキングならどうなるでしょうか?

 大塚家具は都市部に広いショールームや倉庫を持っています。広いショールームだけに家賃がバカになりません。清掃も大変でしょう。経営初歩として一番減らすべきといわれている、固定費が大きいのです。

 それなら都市部にもかかわらず広いショールームという空間を活かして、民泊に改造してしまいましょう。在庫の家具は、そのまま民泊で使用します。家具には値段をつけたままでかまいません。欲しければ買ってもらうのです。

 狙いとして海外の宿泊客に大塚の家具を体験してもらって買ってもらう。レンタルだろうと、一度手に取り触ったものには愛着がわきます。インバウンド宿泊客の中には自国に持ちかえっても使おうと考える人がいるかもしれません。

 さて、この民泊での宿泊料で当面の運転資金を確保します。ただし、2020年のオリンピックまでが勝負なので(それ以降は宿泊需要が極端に減る)民泊の経営権を売って違う業態にシフトします。

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