衆院選の“真の勝者”は誰か?維新の会躍進だけじゃない、大きな変化も
2021年10月19日に公示された第49回衆議院議員選挙は、10月31日に投開票されました。今回の衆院選は、立憲民主党・共産党・社民党・れいわ新選組の4党が289ある小選挙区で候補者を調整。およそ213の選挙区で与野党対決となりました。
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野党が候補者一本化を進めたことで、自民党・公明党は危機感を強めました。そのため、自民党は岸田文雄総裁や甘利明幹事長といった幹部クラスのみならず、安倍晋三議員、麻生太郎議員、菅義偉議員など首相経験者を応援演説に投入。いつもに増して、激戦となる選挙区が多く見られました。しかし、結果は自民党単独議席で絶対安定多数を確保。一方、政権交代を訴えた立憲民主党は改選前からの議席を減らし、枝野幸男氏は代表を辞任する意向を示しました。
首相官邸取材歴が10年超のフリーランスカメラマン小川裕夫(@ogawahiro)が、衆院選の結果を解説します
自民は目標を大幅に上回る結果に
第49回衆議院議員選挙は、岸田文雄総裁が率いる自民党が単独で絶対安定多数となる261の議席を確保。連立を組む公明党も32議席を獲得しています。岸田首相は「勝敗ラインを自公で過半数」と繰り返し述べてきました。自民党は改選前よりも議席を減らしましたが、目標を大幅に上回る結果を残しました。
一方、政権交代を目指した野党第一党の立憲民主党は支持の拡大を図ることができず、獲得議席は96にとどまりました。改選前の109よりも議席を減少しています。
1999年、自民党は自由党と連立を組み、さらに、公明党も加わって自自公連立政権が発足しました。以降、20年以上にわたり自民党と公明党は協力関係を築いています。
自民党と公明党の協力関係がもたらしたもの
自民党と公明党の協力関係は、政権運営だけではありません。選挙戦でも自民党が候補者を立てた小選挙区では、公明党は候補者を立てません。その替わり、自民党の候補者は「比例は公明」と訴える状況が生まれています。つまり、選挙でも協力関係にあるのです。
他方、これまでの野党は与党に対抗する理念を共有しながらも、各党がバラバラに候補者を立てていました。そのため、候補者が乱立し、与党の批判票は分散していたのです。