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脱税事件で追徴1億円…井上敬一“元ホスト”社長が到達した仕事観

学び

仕事でメンターになるには?

――仕事をする上で、経営者はメンター(指導者)としての役割を担うことになりますよね。メンターになるにはどうしたらいいのでしょうか。

井上:部下に対して「やれ」っていうのではなくて、自分から「やる」ように力を引き出すこと。僕もいろいろな会社を見てきましたが、経営者が「やれ」っていうだけの会社は大体業績が伸びてませんよね。だからセミナーで、僕が経営者に言うのは「何であなたが一番前で話を聞かないの」って。

 そして経営者自身が「これをやりたい」「あれをやりたい」と夢を持つこと。子どもが親の背中を見るのと一緒で、従業員も社長の姿を見て成長するんです。あとは普段の表情も大事です。よく苦虫を潰したような顔で仕事を語る人がいますが、楽しそうに見えないから、誰も話に乗ってきません。

 メンターというのは自分からなるものではなく、周囲から勝手にメンターと思われないとならない。「自分がやる」「夢を持つ」「ワクワク楽しむ」、そうするだけで、人に好かれて「この人について行きたい」って思われるようになりますよ。

20代にメッセージ「モテようね」

井上敬一

――最後に、ホストという夜の世界から現在の実業家としてのキャリアを築きあげた井上さんより、昼の世界で働く20代の若者にメッセージをいただけたらと思います。

井上:「モテようね」って。純粋にそれしかないですよね。女性だけでなく人間全般にという。つまりは人に好かれるための努力は楽しいですからね。努力を続けて欲しいと思います。

 あとは同じ男性に伝えたいこととしては、男に生まれてきたんじゃなくて「男になる」ということ。男の修行というんでしょうか。ずっと僕は男女問わず人からモテるためにやってきました、それが楽しくて仕方ない。修行を修行と思わないくらい楽しかった。

 もし今、女性にモテたいと気持ちがあるのだったら、それに対して前向きに取り組んで欲しいです。何も格好悪いことじゃない。僕は格好悪いことを堂々といいますけど、結婚した今でもモテたくてしょうがないですよ(笑)。

 モテというのは間違いなく人間力を育てます。僕はホストだったというのもあって、女性にモテたいというのが最初にありましたけど、人にモテたいという欲求は人間誰しも持ってると思います。皆そこに全力で向き合ってもいいんじゃないかなって思います。

<取材・文/石井通之 撮影/山口康仁>

【井上敬一】
一般社団法人 恋愛・結婚アカデミー協会代表理事。1975年生まれ。立命館大学を中退しホスト業界へ。ホストクラブグループ「SHION GROUP」オーナーを経て現在は企業で講演活動を中心に活動。主な著書に『シークレット婚活塾』など。公式HPはこちら

元エロ本編集者。高校卒業後、クリエイティブな分野に憧れて美術大学を目指すも、センスと根気のなさゆえに挫折。大学卒業後、就職した風俗雑誌の編集部でキャリアをスタートさせる。イベントレポートとインタビューが得意(似顔絵イラスト/koya)

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