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「就活ルール廃止」が一転、存続へ。結局どっちがメリットあるの?

学び

 10月9日、いわゆる「就活ルール」が廃止されることが経団連によって発表されました。しかしこの発表を受け、政府は10月29日に経団連を含めた関係省庁連絡会議の会合を実施。

「学生が学修時間を確保しつつ安心して、就活に取り組めるようにするべきだ」と、現在の大学2年生について政府が主導となって、現行の「会社説明会は3月から」「選考活動は6月から」「内定は10月以降」という就活ルールを維持していくことを決定しました。

大学生の就職活動

※画像はイメージです(以下、同じ)

 10月9日の「就活ルール廃止」のニュースに対しては、SNSやネットの掲示板では賛否両論の声が挙がっていました。

 そもそも「就活ルール廃止」には、企業側・学生側のメリットはあったのでしょうか? 雇用ジャーナリストの海老原嗣生さんに聞きました。

就活ルールは形骸化している? その理由とは

 就活ルールとは経団連が定める「採用選考に関する指針」。1953年に「就職協定」という形で策定されてから、時代ごとに形を変えながら60年以上にわたって運用されてきました。

 その目的は「学生が就活に煩わされずに学業に専念できるようにする」こと。企業側にとっては、効率よく採用活動ができるというメリットがありました。

 では、経団連はなぜ就活ルールの廃止を決めたのでしょうか? 雇用ジャーナリストの海老原嗣生さんはこう話します。

「2013年まで『採用面接は4年生の4月1日から』というルールが運用されていました。実はこれは企業側による前倒しが難しい、そこそこ合理的なルールだったのです」

 新卒向け就活サイトがオープンするのは早くとも12月。4月までに採用面接をしようとしても、1月、2月は大学の試験があり学生が動かないため、「せいぜい3月に前倒しできる程度だった」(海老原)とのことです。

 しかし、2013年に政府側から経団連に「選考開始を8月に後ろ倒し」にするよう関係4大臣の指令があり、2014年は8月に就活解禁が後ろ倒しされました。

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