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日本のパスポートが世界最強に。ただし落とし穴も…

暮らし

 アメリカは国際線の乗り継ぎでもアメリカに入国する必要があるので、アメリカ経由で南米に行くにもアメリカのビザが必要で、非常に面倒な状態に陥ってしまいました。

 イランへの渡航歴を隠してESTAで渡航しようにも、入国審査でイランのビザが見つかれば一巻の終わりです。

 パスポートを作り直しても同じくらいの費用がかかってしまいます。最強と言われている日本のパスポートでも、訪問する国の方針には逆らえません。

団体での海外旅行を楽しみたい人は特に注意

イラン、ヤズド

イラン、ヤズド

 同じように国同士の対立で問題になる例として中東があります。

 イスラエルは第二次世界大戦後、当時エルサレムを支配していたアラブ諸国の承認なく建国されました。この経緯から周辺のアラブ諸国と対立しており、現在も多くの国がイスラエルを国家として認めていません。そのためイスラエルへの渡航歴があると、一部のアラブ諸国では入国を拒否される可能性があります。

 外務省の海外安全ホームページでも、イスラエルとアラブ諸国双方を訪れる場合は、アラブ諸国を先にするよう注意喚起がなされています

 いくら日本のパスポートが強くても、二国間の関係次第では通用しないこともあります。発覚した場合は空港でチェックインさせてもらえないか、現地で入国を拒否されてしまいます。意気揚々と空港に向かったのに拒否されては、せっかくの旅行が台無しですよね。

 いずれ友達や彼氏・彼女との団体での海外旅行を予定している人は、特に個人で旅行する際、先々の旅行に影響するような渡航歴にならないかどうか注意が必要かもしれません。

 まだ、ここで取り上げた入国の要件は日々変化する可能性があります。最近はインターネットやガイドブックで簡単に情報が手に入るようになりました。日本のパスポートが最強だからと過信せず、外務省の「海外安全ホームページ」などを参考に、常に最新の情報を参照するよう心がけましょう。

<TEXT/的場雄一郎>

1988年生。学生時代にサッカークラブの開催警備アルバイト。現在は会社員だがシフト勤務であることを利用し、休日に世界を旅行する。パスポートのスタンプは約40ページ分埋まり、そろそろ一杯になる。他の趣味は競輪とスポーツ観戦

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