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父親の失踪、月330時間労働…元ラーメン屋店長のNo.1ホストが歩んだ波乱の人生

ビジネス

ラーメン屋時代に学んだこと

大川裕貴

 後輩や部下に仕事を任せることの重要性を身をもって感じたワケだが、年上の部下や尖っている若者への接し方も、老若男女が勤務するラーメン屋で学んだという。

「職場での人間関係は難しく考える必要はないんです。役職や年齢で対応を変えるのではなく、その方のキャラクターに合わせたコミュニケーションを意識すれば大抵は上手くいくはずです。大事なことは『自分の感情に任せて行動しないこと』です。

『相手に正しく理解させ、改善してもらう』という目的に集中し、怒ったほうが伝わるのか、優しく諭したほうが伝わるのか、少し考えてもらう時間を作ったほうがよいのかを相手によって適切に選択することが重要です。あとは、本音が隠れていたりするので、表情や一瞬の沈黙を見逃さないように大事な話は直接会って話すようにしています

いずれは経営者の道を進みたい

 客だけでなく、従業員とも向き合うスタンスを忘れない大川さんに今後の夢を聞いた。

「ゆくゆくはホストクラブを経営したいです。ホストって昔よりは大分マシにはなりましたが、まだまだ世間からのイメージは悪いですよね。『嘘をついてそう』『約束を守れなさそう』みたいな。ホスト以前に1人の人間としての魅力を大事にできるようなお店をつくりたいです

 DXが叫ばれる中、ロボットに代替できない究極の接客業がホストだ。血の通った接客を大事にするNo.1ホストが手掛けるのは、きっと精神的に“密”な店舗なはずだ。

<取材・文/夢見リオン 編集/ヤナカリュウイチ(@ia_tqw)>

普段はベンチャー企業のなんでも屋会社員。夜の世界で働く人々のキャリアを取材する。自身もれっきとしたホス狂い。フットワークは人一倍軽い
Twitter:@miitann1212

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