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雪印は出遅れた?“牛乳離れ”に苦しむ乳業メーカーの生き残り戦略

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森永乳業:海外事業が好調

森永乳業

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 森永乳業の主力商品には「森永のおいしい牛乳」や「マウントレーニア カフェラッテ」のほか、ヨーグルトでは「ビヒダス」シリーズなどがあります。アイスクリームの存在感も大きく、「pino」や「MOW」「PARM」は森永の商品です。

 事業セグメントは4つに分類されており、(1)BtoC事業、(2)ウェルネス事業(健康栄養補助食品など)、(3)BtoB事業(飲食店向け)、(4)海外事業を展開しています。2019/3期から2022/3期までの業績は次の通りです。

【森永乳業(2019/3期~2022/3期)】
売上高:5836億円→5909億円→5836億円→5034億円
営業利益:223億円→254億円→289億円→298億円
最終利益:140億円→187億円→187億円→338億円
売上高(BtoC事業):3039億円→3057億円→3100億円→2601億円
売上高(海外事業):289億円→316億円→372億円→439億円

2021年3期で営業利益を伸ばしたのは…

 2020/3期はアイス・飲料を主力とする分、冷夏の影響で同商品類の販売が落ち込みました。一方でヨーグルトが伸び、(1)BtoC事業全体では横ばいとなっています。(2)、(3)事業は商品によって伸び縮みが別れ、事業全体では前年同等となりました。

(4)では乳原料を生産する独・ミライ社が好調で売上が伸びています。なお利益面ではコストカットやプロダクトミックスの改善によって会社全体で大幅増益となりました。

 コロナ禍の2021/3期はオフィス、商業施設向けの飲料需要が落ち込んだことで(1)BtoC事業が影響を受けましたが、他社同様に内食需要の拡大に伴ってアイス・チーズの販売が伸び、機能性食品の売れ行きも伸びたことで前年以上の売上高を記録しています。

(3)BtoB事業はホテル・レストラン向けが落ち込んだことで売上高は200億円弱減少しました。ただし(4)の海外向けが好調となったことでこれを補い、全社では前年同等の売上高となっています。利益面ではコストカットに成功し、営業利益は伸びています。

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