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雪印は出遅れた?“牛乳離れ”に苦しむ乳業メーカーの生き残り戦略

ビジネス

既存品が伸び悩む一方で存在感を示すのは…

 明治HDの2022/3期は売上高が大幅に落ち込んでいるように見えますが、会計基準の変更によるものなので注意が必要です。食品セグメントでは前年に伸びた内食需要の反動でチーズ類が落ち込んだ一方、乳酸菌をアピールしたヨーグルト類も競争激化で減収となりました。しかし、菓子類需要の回復やプロテイン販売の伸びによって食品セグメント全体では前年並みに推移しています。営業利益は原料高で減少しました。

 近年の推移を見ていくと、牛乳・チーズ・ヨーグルトなどの既存商品が伸び悩む一方、「ザバス」などのプロテイン類やプロバイオティクス商品が存在感を表しているように見えます

 明治HDでは2022/3期より新たな中期経営計画をスタートしており、同計画では健康志向商品(ヨーグルト・菓子類)やプロテイン類を強化したいとしています。健康志向×スポーツ関連で差別化を図る姿勢が見えてきます。また、海外展開を進めつつ、原料高には容量変更で対応するようです。医薬品セグメントでは動物向け、ヒト向けワクチン事業を強化していく方針です。

雪印メグミルク:乳製品、飲料・デザートが主力

雪印メグミルク

©Nagahisa_Design

 乳業メーカーの競合である、雪印メグミルクは「おいしい雪印メグミルク牛乳」や「毎日骨太MBP」などを生産し、「ナチュレ 恵 megumi」などのヨーグルト、「6Pチーズ」、「雪印北海道バター」を主力商品としています。

 セグメントは(1)乳製品、(2)飲料・デザート、(3)飼料・種苗、(4)その他の4つに分類され、2022/3期の売上高がそれぞれ2369億円、2397億円の(1)と(2)が主力事業です。2019/3期から22/3期までの業績は以下の通りです。

【雪印メグミルク(2019/3期~2022/3期)】
売上高:6034億円→6134億円→6152億円→5584億円
営業利益:172億円→180億円→198億円→181億円
最終利益:108億円→122億円→149億円→121億円
売上高(乳製品):2410億円→2491億円→2623億円→2369億円
売上高(飲料・デザート):2797億円→2839億円→2745億円→2397億円

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