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雪印は出遅れた?“牛乳離れ”に苦しむ乳業メーカーの生き残り戦略

ビジネス

コロナ禍で伸びた分野もある

業績 経済

 2020/3期は(1)乳製品事業が増収となりました。既存商品のバターが堅調だったほか、特定保健用食品の栄養飲料「毎日骨ケア MBP」がマーケティング施策で伸びたようです。(2)飲料・デザート事業では「ガセリ菌SP株」を訴求したヨーグルトの販売が好調で、健康志向食品の需要増加が寄与しています。利益面では価格改定や広告宣伝費の効率化が功を奏し、営業利益が伸びました

 翌2021/3期は巣ごもりでの内食需要(おつまみ需要)が牽引したことでチーズ類の販売が伸び、機能性食品もEC販売が好調となったことで(1)事業は増収増益となりました。一方で(2)事業は外出控えによってコンビニでの飲料販売が落ち込んだほか、機能性商品も市場飽和によって軟調となり減収減益となりました。

 会社全体では(1)事業の好調のほか、前年に発生した倉庫火災の費用がなくなったことで増益となっています

前年の反動に加え、競争激化で…

 2022/3期は前年の反動に苦しむことになります。(1)事業はコロナ長期化で内食需要が減ったうえ、価格改定によって油脂類(バター・マーガリン)の販売が落ち込み、売上高は減少しました。(2)事業も機能性ヨーグルトの販売が競争激化に苦しみ減収となっています。数字上の大幅減収は会計基準の変更によるものですが、競争激化で伸び悩んでいるようです

 近年の業績を見ると当初は機能性商品が伸びていたものの、コロナ禍に入ってからは競争に勝てず、業績が伸びない状況で、巣ごもりによる内食需要も翌年には解消してしまいました。

 なお、今後の方針として生産性や事業構造の改革でコスト削減を図りつつ、バター・ヨーグルトなど主力商品の販売を拡大したいとしており、機能性食品も強化する見込みです。海外進出については次期中期経営計画で強化する方針であり、直近では大きな動きがみられません。

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