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ゴミを拾ったら「死ね」。高田馬場の“シンボル”を守る学生団体の苦悩と現実

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新宿区長との対話で実現したことも

ロータリー

「ロータリーの会」創設者の新井国憲さん

──個人的なゴミ拾いからはじまった活動ですが、はじめから企業との連携や区への提言はビジョンにありましたか?

新井:はじめは全く考えていませんでした。活動を続けていく中で認知度が着々と上がってきて、やれることが多くなりました。地域住民、飲食店とつながっていき、区議員の人ともつながりをもてるようになりました。はじめから清掃活動だけで問題が解決するわけではないと思っていましたし、ゴミ拾いをしていくなかでだんだんと何をするべきか考えていたんです。2020年の12月には区議員の方からの紹介で新宿区長と対話もしました。先ほど言ったゴミ箱の設置や、LEDライトの点灯を提言して、ライトに関しては1か月ほどで実現しました。

──コロナ禍で、ロータリーでの路上飲みの状況はどうでしたか?

新井:実際、増えていました。しかし、個人的には2018~2019年のコロナ以前の状況を知っているので、特別多くなったという印象は受けないです。メディアがロータリーを路上飲みのスポットとしてこぞって取り上げたことで、イメージがついてしまったんです。コロナ禍で急激に問題が悪化したわけではないですね。

路上飲みからロータリー閉鎖に

ロータリー

──2021年5月、新宿区はロータリーを閉鎖しました。それは路上飲みが増えていたからではないですか?

新井:区がロータリーを閉鎖したのはマスコミが報道したからです。街自体のイメージが悪化することと、苦情が多く寄せられることを懸念したんだと思います。区側はそれを認めず、「コロナ対策で閉鎖した」と言っていますが。僕は路上飲みを抑制するための閉鎖なら夜間だけでよいのではないかと思い、個人的に別団体で新宿区に抗議の陳情書も提出しました。

──閉鎖が解かれてからはどういった状況ですか?

新井:閉鎖が解かれた翌日の朝に拾った空き缶の数はこれまでで最も多かったです。利用者はなにも学んでいないと思い、落胆しましたが、それ以降はだんだん利用者が減ってきたのか、ゴミの数も減少傾向にあります。

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