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ゴミを拾ったら「死ね」。高田馬場の“シンボル”を守る学生団体の苦悩と現実

ビジネス

モラルを保っての利用は許されるべき

ロータリー

実際の清掃の様子

──ロータリーの会はゴミ問題に焦点を当てて活動する一方、ロータリーには騒音問題などその他の問題も山積しています。そうした問題についてはどのように考えていますか?

新井:一線を越えてしまうと、問題視すべきだと思います。ただ、ロータリーができてから今まで、早大生も地域住民の人もその利用についてあまり問題視してきませんでした。新宿区の職員の方も「地域の人は寛容な目で見られてきた」とおっしゃっていました。しかし、コロナ禍で路上飲みが糾弾され、ロータリーがメディアによって取り上げられたことで世論は大きく動く可能性もあります。

──では、団体の総意としては、ゴミを捨てず、迷惑にならなければ、ロータリーは飲酒などの場として利用してもよい?

新井:一定のモラルを保って、利用は許されるべきだと思います。高田馬場は学生街という印象が強く、ロータリーはその象徴的な場所ではあると思います。ぼくらはあの広場あっての団体ですし、ロータリーの利用を前提とした上で、綺麗に保ちたいと考えています。もちろん、コロナ禍での路上飲みは感染リスクを考慮した上で控えるべきだと思います。

人がいてゴミがない状態を目指す

ロータリー

──先ほど、ロータリーの利用者を「注意しない」と言いましたが、それは飲酒などを楽しんでいるのを邪魔したくないという気持ちがあるのでしょうか。

新井:広場は交流の場所ですから、あまり注意をしたくないと思います。僕たちの考えるロータリーの理想のあり方は、人がいてゴミがない状態です。

──では、ゴミ拾い以外に活動していることや、これからしていきたいことはないのでしょうか。

新井:他のサークルや地域団体、企業と連携した活動も行なっています。他には、新宿区ゴミ減量リサイクル課に提言もしています。清掃活動のときにゴミをカウントしてデータ化をしているので、そのデータや写真などで現状を報告しています。

 ただ、僕たちは新宿区からボランティアあるいは学生団体として捉えられています。ゴミ箱の設置やマナー広告などの啓発掲示物を提言していますが、話は聞いていただけても、実施には至っていません。そもそも新宿区は管理の問題で公道にゴミ箱を置くのを禁止しているのですが、実際はゴミがゴミ箱から溢れることによる景観の乱れもひとつの要因だったようです。

 現在では表参道にも設置されている、ゴミを自動圧縮するゴミ箱や、遠隔でゴミがどのくらい溜まっているかわかるゴミ箱など、新しいゴミ箱が登場してきました。また、企業広告をゴミ箱に貼ることで自治体の負担もほとんどなくなります。こうした画期的なゴミ箱があるため、区にはぜひ積極的に導入して欲しいと思っています。

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