マッチングアプリ“後発組”でもユーザー数が急増。女性CMOに聞いた独自戦略
チームを巻き込んだサービスづくり
また、仕事への姿勢については「チームを巻き込み、みんなの力でサービスづくりに励んでいる」と川口氏は言う。
「正直、私ひとりの力ではどうにもならないと思っているので、チーム全体で取り組むことを念頭に置いています。部下や後輩へのコミュニケーションを意識的に増やし、ボトムアップ型の組織を心がけていますね。メンバーそれぞれが持っている価値観や意見を尊重しながら、より良いサービスにしていけるように努めています」
加えて、川口氏が仕事を行う上で大切にしている3つの考え方があるという。
「まず1つ目は『新しいチャレンジ精神』というものです。失敗を恐れず、挑戦していく気概が何より大事だと思っています。2つ目は『Test&Learn』。さまざまな施策をテストし、その結果から得た学びを生かしてサービスを成長させていくことも必要になってきます。そして3つ目は『Positive Vibes』。自分がポジティブでいると、それが周囲にも伝わると信じています」
後発組だからこそのアプローチ
そんななか、マッチングアプリ市場は戦国時代を迎えていると言えるだろう。「Pairs」を筆頭に「Omiai」「Tinder」などさまざまなサービスが台頭してきている。2015年9月のサービス開始以来、withは心理学や統計学に基づいたマッチングに当初から取り組んでいる。
「withを企画を始めた当時のマッチングアプリは、相手を選ぶ際の要素の比重が外見に置かれすぎていました。そこで心理学を用いた診断等でプロフィールの充実化を図り、外見以外の要素で相手と繋がる体験を強化することで、もっと幅広い層に向けてサービスを提供しようと考えました。
その結果、後発であるにもかかわらず、ユーザー数が急増していきましたし、マッチングアプリの一般化にも大きく貢献できたと考えています。心理学や統計学といった学問をベースにすることで、人との出会いを科学的に見出していくことができ、ひいてはより長く、真面目なお付き合いへと発展しやすいと考えたため、『心理学 × 統計学』のアプローチを取り入れています。
また、他のマッチングアプリにはルックスやスペックなど、表面的な情報で判断するものが多く、スペックに自信がないユーザーにとっては、最初の一歩が踏み出せない問題がありました。そこで、ユーザーの間口を広げるために心理学を元にした性格診断を取り入れることで、内面の魅力が伝わるようなサービス設計にしています」