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GAFAが“次なる壁”に直面した2021年。社名変更から半導体不足の影響まで

ビジネス

GAFAの強みは「構造的な支配者」

 とはいえGAFAの強みは「プラットフォーマー」という点にある。プラットフォーマーの座に留まり続ける限り、天災や病禍があろうとも、これら4社の屋台骨が揺らぐことはない

 Googleは大手検索エンジンであるとともに、世界で発売されるスマートフォンの半数以上が搭載するAndroid OSの責任者だ。Appleは強大なApp Storeを持ち、iOS/Mac OSのユーザーを対象とする独自の経済圏を築いている。

 Amazonはセラーを束ねる立場で、コンテンツビジネスでも成功、さらにはクラウドコンピューティングの「AWS」がいまや社会インフラとして成立している。

 またWeb広告に関してGAFAの存在感は極めて大きく、Facebookの収益源は大半がこの広告となる。つまりGAFA4社は、その他大小のアプリケーション開発者やWebビジネスと比較して、構造的な支配者となっているのである。

バイデン政権は大企業による独占を問題視

バイデン氏

バイデン氏の公式ツイッターより

 市場においては「向かうところ敵なし」の4社だが、摩擦がないわけではない。世界経済は市場の動向がすべてではなく、各国の政府・議会に規制の思惑が存在するからだ。

 この頃は米中だけでなく、米欧の貿易摩擦も取り沙汰されている。2019年のフランスを皮切りに、イギリスやスペインなど欧州各国が相次いで「デジタルサービス税」を導入。GAFAなど肥大化した多国籍IT企業を対象に、国内であげた利益の海外流出を防ごうという制度である。同時に、各国の反独占法との兼ね合いも調査されている。

 また、GAFAの形態を「個人情報ビジネス」だと捉える向きもあり、実際にこれら4社は先進国に暮らす市民の個人情報の大半を手中に収めている。この状態を「プライバシーの危機」とみなすEU諸国は強い法規制を進めている

 GAFAの足元であるアメリカでも、リベラル寄りのジョー・バイデン政権が大企業による独占を問題視し、法整備の途上にある。Appleが抱えている「フォートナイト訴訟」は記憶に新しいが、アプリ販売の利益の配分につき、今後はプラットフォーマーの側がポリシーの変更を強いられる可能性が高そうだ。

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