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新型「iPhone 13」モデルがお買い得と言える理由。唯一“納得いかない点”は

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USB-Cの火付け役もAppleなのに…

 今回採用されたプロダクトのうち、iPad miniではUSB-Cを採用。しかもAppleはその強みを宣伝している。Appleに務める設計者も、本当はLightningなんていう失敗作とは決別したいはずだ。

Apple

iPad miniのポートはUSB-C規格である。一刻も早くこちらに統一すべきだ

 知的財産権で固められたLightning規格は、たしかにAppleの収益構造に寄与しているが、今となっては製品の魅力を削ぐ側面のほうが大きいように思える。ライバルの“中華スマホ”が魅力を増しているいま、悪名高いLightningに固執するのは愚策だろう。

 そもそも、USB-Cの多用性にいち早く注目したのは、他でもないAppleだ。2015年モデルのMacBookでは、USB-Cポートを充電・通信の兼用とすることで、筐体の小型化に成功した。現在ではMacBook AirやMacBook Proもこれに倣っており、本当ならばAppleがUSB-C振興の旗手となっていてもおかしくなかった。

 ところが現実には、優秀なUSB-C規格を活用するのはライバルのAndroid陣営で、筆者を含めたApple派はホゾを噛むばかり。13万4800円のiPhone 13 Pro Maxでさえ、有線接続時には時代遅れのLightningケーブルを使うことになる。そんな不便な高級機は他にない。

 話題に欠けるアップデートだっただけに、この機会に「Lightning廃止」のドラを鳴らしてほしかった……というのが、iPhoneユーザーとしての偽らざる本音である。

<TEXT/ジャンヤー宇都>

「平成時代の子ども文化」全般を愛するフリーライター。単著に『多摩あるある』と『オタサーの姫 〜オタク過密時代の植生学〜』(ともにTOブックス)ほか雑誌・MOOKなどに執筆

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