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年収1億円「フリーランスの王」が力説する“転職するつもりの就活”

学び

大手企業就職のメリットがなくなった

就活

「年収チャンネル」を視聴する就活生も、安定を求める大手企業より、経験やスキルを積むために起業をしたりベンチャー企業を希望したりする人が増えているという。

「大手企業は終身雇用前提で、正社員に異動や転勤、出向などを強いてきました。しかし今後競争に勝ち抜くためには、外部人材を活用せざるを得なくなります。新卒で大手企業に正社員就職し我慢して下積みをした結果、30代になって、上司が全員外部人材で、全く出世できない。

 下積みしかしてないから転職でキャリアアップもできない。流動的な組織構築により退職金制度を撤廃する企業も出てきそうだし、人生消化試合、みたいな人が増えないことを祈っています」

 とはいえ、焦って新卒からフリーランスになるのも時期尚早だとも警戒する。

「一部の例外を除いて、大学を卒業してすぐフリーランスになるのは厳しいと思います。経験が乏しく先輩にも恵まれずに、末端作業者としてクラウドワーカーを続ける若手に未来はありません。ある程度上流の仕事を動かしていかないと、ビジネスマンとしての能力は育ちませんよ。会社員として経験を積んだうえでフリーランスにならないと、上流の案件は任せてもらえません」

オンライン就活でも本質的に求められることは同じ

株本

株本祐己さん

 また、コロナ禍でオンラインでの選考がメインとなり、戸惑っている就活生も多いはず。「うまく自己PRできるのか」「オンラインマナーがわからない」と不安な声もあるが、株本さんは「オンラインとオフラインを切り分ける必要はない」と指摘。

「実際に会ったとしても画面越しだとしても、『簡潔に話す』『会話のキャッチボールをする』という本質的に求められることはほとんど変わりません。対面でしか得られない情報は特にないんです。清潔感とか身長とかは、オンラインだとごまかせるかもしれませんが。むしろ今後はリモートワークが主流となる可能性があるので、就活の段階からオンラインの場に慣れておくべきです

 最後に、もし株本さんが今、就活生だったらどのような就活をするのかを聞いてみた。

「取得したいスキルとインダストリー(産業)を軸に考えます。自分の場合は新卒で『ウェブマーケティングのスキル×フランチャイズ』でした。また、なるべく裁量権を持たせてもらえそうな企業を希望すると思います。転職前提で『どの企業に入社すれば自分の武器になる能力を最大化できるか』を意識した就活が今後求められるのではないでしょうか」

 これからは就職といっても、一生を会社員で過ごす前提ではなく、いかに自分の力で稼ぐスキルを伸ばせるかを意識する必要がありそうだ。

<取材・文/橋本岬>

【株本祐己】
StockSun株式会社代表取締役。1990年生まれ。学生時代にベンチャー企業で新規事業の立ち上げを経験。新卒入社したベンチャーからコンサルティングファームに転職し、その後フリーランスとして独立。Twitter:@StockSun_ceo

IT企業の広報兼フリーライター。元レースクイーン。よく書くテーマはキャリアや女性の働き方など。好きなお酒はレモンサワーです

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