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森林浴で「モミジの木」を持ち去ったら犯罪?弁護士の意見は

ビジネス

 例えば、東京高裁昭和50年11月5日判決(判タ335号338頁)は、森林窃盗罪について次のように述べています。やや長いですが、原文をそのまま引用します。

逮捕 警察

「処罰の対象となる行為の行われる場所が森林内であるため、占有ないし管理の態様が一般にゆるやかで、その産物が盗まれ易い状態に置かれていること、また行為の客体も土地に定着して生育する物で一般の動産と異なり、財産的価値も通常比較的少ないことなどの点において、刑法上の一般の窃盗罪に比べてやや性質が異なり、類型的にその違法性が低く、責任性も軽いため、特別の行為類型を設けて一般の窃盗罪より軽く処罰することにしたものと解せられる」

 つまり、森林窃盗罪のほうが窃盗罪よりも類型的に「違法性」および「責任」の程度が低いと考えられるために、刑罰を軽くしたものと理解されています。

森林法違反はどのくらい処罰されている?

 なお、窃盗罪に対する森林窃盗罪のように、刑法以外の法律において特別に処罰規定がある場合、「特別法は一般法に優先する」という原則により、特別法である森林法の規定が刑法に優先して適用され、窃盗罪ではなく森林窃盗罪が成立するということになります。

 では、森林窃盗罪はどの程度、処罰されているのでしょうか?

 「検察統計」の平成28年版によれば、検察庁が平成28年に「森林法違反」として受理した事件の総数は101件であり、うち起訴が21件、不起訴が64件(起訴猶予54、嫌疑不十分7、時効完成3)、他の検察庁に移送が16件となっています。

 他の検察庁に移送されたものを除いた実質的な起訴率は、約24.7%となります

原則全ての事件は検察に送付する

 ただし、森林法において刑罰が規定されているものには、森林窃盗罪以外にも、贓物収受、放火などがありますが、検察統計においては「森林法」(違反)としてまとめられ、その内訳までは記載されていませんので、起訴された21件が全て森林窃盗罪であったかどうかは分かりません。

 なお、警察が事件を捜査した場合には、原則として全ての事件を検察に送付(送致)しなければなりません。

 ただし、例外的に送致しなくてもよい場合があります。