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変わる喫煙のルール。吸えない場所が増えても「喫煙店」が残る事情

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鉄道も「全席禁煙」が時勢に

灰皿

 対して、東京駅を北上する東北新幹線、山形新幹線、秋田新幹線、上越新幹線、北陸新幹線、北海道新幹線の各線では、どの列車も全席禁煙のうえ、N700系のような喫煙ルームも設けられていない。

 つまりは、東京駅から新函館北斗駅までの約4時間の道のりであっても、完全禁煙で過ごさなければならないのである。筆者のようなニコチン依存者にとっては、かなり長い旅路に感じるかもしれない。

 鉄道の禁煙化がほぼ達成されつつあるなかで、数少ない例外といえるのが「サンライズ瀬戸・出雲」だ。「サンライズ」の車両には喫煙可能な個室寝台が残されており、人目を気にせず紫煙をくゆらせることができる。

 とはいえ「サンライズ瀬戸・出雲」は大都市間の移動に適した列車ではなく、旅行や出張の行程に組み入れられるケースは稀である。東海道新幹線を例外として、タバコを吸いながらの列車移動はもはやできないものと心得よう

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 このように飲食店や遊技場、鉄道など、社会のあらゆる場所で禁煙化が達成されつつある。2020年は「改正健康増進法」で喫煙席の撤去が進んだが、一方で嗜好品に対してとやかく言うのは気がとがめてしまう。「そう簡単じゃないよ」という弱音も漏れ聞こえるが、うまく両者が共存できる世の中が訪れる日を願いたい。

<TEXT/ジャンヤー宇都>

「平成時代の子ども文化」全般を愛するフリーライター。単著に『多摩あるある』と『オタサーの姫 〜オタク過密時代の植生学〜』(ともにTOブックス)ほか雑誌・MOOKなどに執筆

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