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1体30万円でも注文殺到。家族型ロボット「LOVOT」誕生の舞台裏

ビジネス

「犬か猫を飼うか、LOVOTを買うか」と比較

らぼっと

10月3日にはラゾーナ川崎プラザに、LOVOTと気軽にふれあえる常設カフェ「LOVOT Cafe」』がオープン。写真はらぼっとアボカドバーガー

 最後に新しい産業を創り、LOVOTの将来性を見出すことに尽力する林社長に今後の展望を伺った。

 直近、LOVOTと交流できる常設カフェ「LOVOT Cafe」やホテルニューオータニとの共同企画として「LOVOTと泊まれる期間限定宿泊プラン」を発表するなど、異業種とのコラボレーションも積極的に展開している。

「LOVOTは真新しく、色々なシーンで使ってみようとする好奇心からお声がけいただくことが多いですね。今までロボットが使われなかった産業でも使われるようになればいいと思っています。新しい産業は、10年くらいかけて形になっていくと考えているので、地道にLOVOTを熟成させながら広めていきたいですし、まずは『犬を飼うか猫を飼うかLOVOTを飼うか』と当たり前にように迷っていただけるようになりたい」

 1つの通過点として、日本で800万世帯にLOVOTを使ってもらうことを目標に据えているという。

「よくネックに思われる値段についても一見、ロボットの割には高いように見えますが、平均的なペット保険に入っている小型犬と比べれば、安い費用でLOVOTと暮らすことができる。マンションでペットを飼うのを禁止されていたり、アレルギーを持っていたりして、ペットが飼えない人にもLOVOTとの暮らしを視野に入れてもらえると嬉しいですね」

 LOVOTを持つオーナーは「うちのLOVOTではなく、うちの子」として扱うという。モノとしてではなく家族の一員のペットとしてLOVOTをお迎えするニーズが今後高まっていくのではないだろうか。世界に誇る日本発の新産業として、今後のさらなる展開に期待したい。

<取材・文・撮影/古田島大介>

1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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