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250万人が視聴。初の無観客「東京ガールズコレクション」をチーフPに聞く

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常に若年層女性をターゲットにして開催

 TGCブランドとして、2005年からこれまで一貫しているのが「アンケート」を活用したマーケティングだ。毎回観客や視聴者に対してアンケートを実施し、どんなコンテンツが良かったのか。演出の良し悪しや今後企画して欲しいことなど、リアルな声を拾うことで次回開催の参考にしているという。

TGCは常にメインターゲットを10~20代の女性に置いていて、時代とともに風化してしまわないために、最新トレンドを取り入れながら開催しています。TGCはいつの時代でも、若い女性というターゲットの軸をブラさずにコンテンツを作り込んでいます。彼女たちがいま何を考えていて、TGCにどんなことを求めているのか。いち早く察知するため、常にアンテナを張って最新トレンドを追うように心がけています」

 こうしたTGCで培った知見を生かし、ビジネスの横展開にも繋げていると池田氏は説明する。

「『W TOKYOってTGC以外は何やっているの?』と言われることもありますが、TGCをハブにしてさまざまな事業を展開しているんですね。TGCに出演するモデルを中心としたキャスティング事業や、人気キャラクターとコラボしたコンテンツを展開するIP(知的財産)ビジネス、TGC公式メディア『girlswalker』事業やアフィリエイトなど、キャッシュポイントはいくつも作っています。最近では、次世代のモデルや女優を育成するレッスンスクール『TGC SCHOOL』やウィズコロナ対応として、特殊なコーティング施工の特許技術を持つ『光触媒革命 ウイルス侍』のブランドを立ち上げ、抗ウイルススプレーを企画・販売するなど、新規事業も積極的に展開しています」

「かわいい」から「サステナブル」へ

TGC

2018年5月ニューヨーク国連本部で開催したSDGs推進ファッションセレモニーの様子©TGC Fashion Ceremony at the UN Headquarters for Implementation of the SDGs

 近年、国連が推奨するSDGs(持続可能な開発目標)を意識した取り組みを行う企業が増えている。TGCは2015年に国連で採択された当初から、若者に向けてSDGsを発信している。

「『全ての女性が輝く社会』に向けて、2015年にTGCと国連が連携し、SDGs推進を始めた。最初は女性活躍推進やSDGsそのものの啓発をステージで展開しましたが、2018年に国連ニューヨーク本部でファッションセレモニーを開催したことで、より活動が本格化したと感じています」

 また、SDGs推進と同時期に「TGC地方創生プロジェクト」を立ち上げ、地方都市でのTGC開催を行ってきているが、そこでもSDGs推進を積極的に発信したという。

「富山では『女性の活躍推進』を掲げ、北九州や静岡ではSDGsの“つくる責任・つかう責任”を知るきっかけとして『サステナブル』や『エシカル』を取り入れたファッションショーを行いました。特に静岡は計2回開催していますが、TGCがきっかけでSDGsの市民認知度が2%から36%と大幅にアップしたので、手ごたえを感じています

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