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「20代・ゆとり世代」を上司はどう見ているか。出世願望がない?

学び

子供の頃から携帯電話を持っていた

 さらに、ゆとり世代は児童のころから携帯電話を持たされてきた世代です。子供の安全性を確保することが主な目的ですが、一方で話したい人とだけ話せばいい時代になりました(親と学校の先生を除いて)。

 その昔、通信手段といえば家の固定電話か公衆電話だったので、相手に掛ける場合でも、誰が最初に出るか分かりませんし、掛かってくるときも誰からの電話かなのか分かりません。

 なので、鳴った電話は誰かが取らないといけないし、初対面、あるいは苦手な人であっても一定の会話をしなければならないため、嫌でも避けれられない場面がたくさんありました。

 このような環境・価値観の変化によって、面倒なことを経験しない(する必要がなかった)まま大人になった人が多いことで、上の世代からすると「イヤなことを避ける」「拒否することに躊躇がない」「我慢が足りない」などの印象を持つようになったのではないかと考えられます。

出世志向がないのは当然?

平等 ビジネス

 ゆとり世代は「欲がない」「出世志向がない」「異性に関心を持たない」という話をよく聞きます。年長者(特に年配者)からすると、欲がないなんて、まるで悟りを開いた聖者のようだから「さとり世代」とも命名されています。

 しかし、戦後からバブルにかけてずっと右肩上がりの経済成長を続けてきて、欲しいものが次々と現れ、それを獲得するために頑張る。頑張れば報われるという時代を生きてきた先輩世代と、基本的なものはすでにすべて揃っていて、特にほしいものなんかない世代とでは、意識が異なるのは当然です。

 また、給与やボーナスが減り、非正規雇用の割合が増え、会社の福利厚生はなくなりつつあり、PCやスマートフォンなどガジェットが発達した分、仕事の効率化を求められる度合いが強まるなど、労働から生じる不安やストレスが大きくなっています。

 加えて、昭和バブルから長い平成不況の間に家族の形態が大きく変わりました。平成に入るまでは、お父さん一人の収入で家族を養う「専業主婦世帯」が世の中の主流であり、女性の社会進出も限られていました。

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