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日本発のスニーカーブランドが「ひらがな推し」になったワケ

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パ・リーグ球団コラボスニーカーのこだわりは?

サンガッチョ

サンガッチョジャパン広報企画部の田代美香氏

 今後について「ひらがな自体の認知度が、世界的に高まっているので、海外のプロスポーツチームや企業とのコラボができるよう販路を拡大していきたい」と抱負を語る前田氏だが、同時にシューズデザイナーの人材も育てていく必要性を感じているという。

「FUNスニーカー事業が拡大していけば、ひらがなスニーカーの品質を担保するために、適材適所を意識する必要があると思っています。月の半分以上は海外にいることが多いので、日本で意思決定して事業を推進できる人材や、スニーカーデザイナーなど、人材育成も見据えています」

 そんな同社で、パ・リーグ6球団とのコラボスニーカーのうち北海道日本ハムファイターズや千葉ロッテマリーンズ、東北楽天ゴールデンイーグルスのデザインなどで中心的な役割を担ったのが、広報企画部の田代美香氏(26歳)だ。そのこだわりぶりは徹底している。

「お客様のところに靴が届くとき、開けた瞬間のドキドキ感を作りたくて、もちろん普通の靴箱でもいいのですが、箱のデザインにもこだわりました。たとえば工場にオーダーを出すときは仕様書を手書きで書いているのですが、それを靴箱にプリントしました。これを載せることによって、デザインを作成している風景や、製造のストーリーを感じてもらえればと思いました」(田代氏)

 さらに商品のどこにも説明はないが、箱に描いてある「FUN SNEAKER LIMITED EDITION」の文字は各球団のロゴマークをわざわざ模したデザインになっている。そんな田代氏だが、実は全く違う業界から転職した。

「エアマックス90が好きで、当時私は大学生でしたが、その頃からナイキのスニーカーを買い集めていました。月に多いときで3足くらい買うので、家にはスニーカー60足はあります。代表に比べたらまだまだ少ないですが(笑)」

 ひらがなスニーカーの今後の事業展開に注目するとともに、日本発のスニーカーブランドが世界に向けてどう成長していくのか楽しみだ。

<取材・文・撮影/古田島大介>

1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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