近鉄の新型特急『ひのとり』、高級感あるプレミアム車両が目玉
エクステリア:車体の妻面はブラック1色
エクステリアは、ひのとりレッドをベースに、プレミアムゴールドの帯、ブラックのアクセントカラーを用いた。スピード感、躍動感のほか、情熱を感じさせる色調だ。
注目なのは車体の妻面がブラック1色であること。近鉄によると、妻面を黒にすることで、車体側面のひのとりレッドを際立たせるねらいがあるという。黒は「女性を美しく見せる色」と言われており、ひのとりレッドを引き立てる脇役といえよう。
デジタル方向幕はフルカラーLEDで、この日は「HINOTORI」、「試乗会」、「Demonstration run」の順に繰り返し表示された。
目玉はプレミアム車両
定刻通り13時05分に発車。難波線からの線路と合流し、布施まで複々線となる。
『ひのとり』最大の目玉は、両端に連結されたプレミアム車両だ。眺望良好のハイデッカー構造もさることながら、プレミアムシートは1人掛けと2人掛けが並び、本革を使用することで、高級感を演出している。また、電動フルアクティブサスペンションの採用により、不快な揺れを抑え、快適な乗り心地を提供する。
プレミアムシートはボタンを押すとリクライニング、レッグレストが作動する。2019年9月7日(土)、大阪上本町駅のシートキャラバンで体験したところ、まるでマッサージチェアのごとく、深く倒れるので心地よい。
応対した女性職員によると、「『しまかぜ』(のプレミアムシート)みたいな乗り心地をビジネス用にちょっと変えた」という。特にバックシェルを採用したことで、後ろの乗客に気をつかわずに済む。
参考までにプレミアムシートのシートピッチは、『しまかぜ』1,250ミリに対し、『ひのとり』1,300ミリ。これはJR新幹線電車のグランクラスと同じで、どちらも鉄道車両では日本最大級を誇る。
ひじかけはボタンのある側に収納式の大型テーブル、向かい側には小型のテーブルも備わり、前へ引き出すとカップホルダーが姿を現す。また、コンセントも備えられており、充電等に使える。
背もたれにはヒーターが内蔵されているほか、読書灯も備わる。ヘッドレスト(可動式の枕)は高さや角度調節機能がつく。
座席背面のバックシェルには、荷物フックが2か所設けられている。また、カーテンもボタンによる電動式で、細かいところまで贅を尽くしている。
先頭車の最前列は展望席で、1号車の7B席、6両車の6号車、8両車の8号車の1B席(いずれも通路側)は特に眺望がよく、思う存分楽しめる。
なお、向かい合わせ利用の場合、前の乗客との干渉を避けるため、レッグレストは作動しない仕組みになっている。