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まるで絵本?そっくりすぎて「赤と青の服を着させられた」双子兄弟

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中学2年、兄だけレギュラーに

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 そのせいか兄弟仲も悪くなり、さらに冷え切った兄弟仲に追い打ちをかける出来事が起こります。

「中学2年生のころ、兄がレギュラーに選ばれたんです。一方の僕はベンチでした。あれはショックな出来事でしたね。僕のポジションは競合が多く、ポジション争いが盛んだったというのもあるのですが、初めて客観的に自分が劣っているという事実を突きつけられた気がして。子供のころから兄とは違うことを証明したいと思ってきましたが、自分の求めていない形でそれが証明されることになりました」

 幼い頃から比較対象になりやすい双子だと、悔しさもひとしお。結局、中学3年時には二人揃ってレギュラーになれたそうなのですが、どうしても、劣等感を拭えなかったそうです。

まさかのライブ会場で兄と遭遇

 中学校を卒業し、兄とは別の高校へ進学したSさん。進学先では兄弟で比較されず、楽しい学校生活を謳歌できていました。そんな学校生活で彼がハマったのは、アニメ。

 その熱中っぷりは凄まじく、アニメを観るだけでは飽き足らず、声優のライブや握手会に足繁く通っていたそう。そんなヲタ活ライフを満喫していたSさんですが、ある声優のライブ会場でまさかの人物と遭遇します。

「本当に偶然、現場に兄がいたんです。僕はなんとなくはばかられて、兄にはもちろん、家族にも秘密でヲタ活をしていたのでとにかく動揺しました。それは兄も一緒だったらしく、お互い秘密がバレて気まずい雰囲気に。ただ、それをきっかけに中学時代から険悪だった空気が和み、情報交換がてら少し会話をするような関係に戻りました」

 現在は、離れて暮らしているお兄さんと、ヲタ活関連でしばしば連絡を取り合うそうです。双子だからといって趣味や嗜好が似るとは限りませんが、切っても切れぬ縁を感じることは、“双子あるある”なのかもしれません。

<取材・文/山田星人>

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