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女の敵は女?忘年会の高級焼き肉で、新人女子が激昂された理由

学び

忘年会の高級焼肉店でトラブルが発生

 秋絵さんは、入社1年目ながら、課金型オンラインゲームや流行を取り入れたゲームアプリの企画を提案していきます。社歴に関係なく、実力主義で企画が面白ければ採用になる社風だったそうです。

「終電で帰ることもざらにありましたが、やりがいを感じていました。例の女性上司も、仕事のことに関しては意見を聞いてくれましたし、結果を残せばしっかり認めてくれました」

 しかし秋絵さんのマイペースな性格が女性上司の逆鱗に触れてしまう時がきます。それは忘年会の高級焼肉店。費用は会社持ちで、店内は貸し切り状態でした。

「仕事が長引いたこともあって、遅れて店に到着すると、創業メンバーの一人で、役員をされている男性の前の席が空いていました。大テーブルではなくて、1対1の対面のテーブルで、その役員の男性と向かい合って座ることになったんです。

 普段は、あいさつ程度のつきあいしかなかったのですが、ジャケットの下に、あるアイドルグループのTシャツを着ていたので、『私も好きなんですよ』と彼に話しかけると、思いのほか会話が盛り上がり『無礼講でいいよ、無礼講で』と言ってくれたんです」

役員に肉を焼かせたのがNGか…

焼肉

 プロレスやゲーム、競馬といった男性好みの趣味に造詣が深かった秋絵さん。お酒が進むにつれ、話は盛り上がり、ついついため口に。

「『君みたいな、遠慮をしない子はいいね』と言って、男性役員はずっと肉を焼いてくれました。一皿3000円する上ロースを『頼んでいいよ』と言ってくれたり。『これが無礼講ってやつなんだ』としみじみと思い、ここぞとばかりにお腹いっぱい食べてしまいましたね」

 男性役員が焼いた高級肉を遠慮なくバクバク食べ、その日は楽しい気分で帰宅したという秋絵さん。しかし後日、女性上司に呼び出されます。「あなたは、何をしたのかわかる?」という一言から始まり、「焼肉食べ過ぎ」「ああいう時は、下っ端のあなたが焼く役」「無礼講なんてあるわけないでしょ」とダメ出しの速射砲が……。

 その現場では全く気づかなかったのですが、実は忘年会での振る舞いを遠目から監視されていたそうです。女性上司からねちねちと怒られ続け、あとで時計を見てみると30分も経過していたのです。

「まさか焼肉食べ過ぎで怒られると思わなかったです」と語る秋絵さん。当の役員は特に怒ってはいなかったと人づてに聞き、まさに女の敵は女なんだなと痛感したそうです。

特集・忘年会にまつわるエトセトラ

<TEXT/池守りぜね イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>

出版社や、web媒体の編集を経て、フリーライターに。趣味は子供と一緒にプロレス観戦。ライブハウスに通い続けて四半世紀以上。家族で音楽フェスに行くのが幸せ

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