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都内のマンションは「東京五輪後に暴落する」説を検証してみた

コラム

リーマンショック後に起きたこと

需要と供給

 中学生の授業では「価格は需要と供給の曲線の交点で決まる」、そう習うはずです。「世の中が不景気になって売れなくなったら、絶対に新築マンションも値下がりするはず」皆さんそう思うのかもしれません。

 たしかに、これは2009年のリーマンショック後の大不況時に起こりました。あの時、まったくマンションが売れなくなったデベロッパーは抱えていた販売在庫を一斉に投げ売りしはじめて、新築マンション価格は一気に下がりました。

 そして、在庫を処分しながら、新興系と言われていたデベロッパーはどんどん潰れていきました。10年経った今、新築マンションの首都圏販売戸数は、あの2009年よりもずっと少なくなっています。直近のピークである2013年から半分になってしまいました。

3~4年は新築マンションの価格は下がらない

 そんな状況でも、マンションデベロッパーの倒産はほとんど聞かれません。なぜかといえば、「マンションを作るデベロッパーが少なくなった」そして「体力のあるデベロッパーしか残っていない」という状態なのです。寡占状態が起きているのです。

 こうなると、売れなくなって投げ売りするよりも「販売期間を長く取ってじっくり売ったほうが結果的に得」とデベロッパーは考えます。

 まとめると、新築マンションは、需給よりもコストの積み上げによって価格が決定されるメカニズムです。さらに、売れなくなったから投げ売りしてでも在庫を解消しなければいけないというデベロッパーは死滅しました。

 ということは、現在、マンション用地の仕入れが行われて販売されるであろう2022~2023年くらいまでは、新築マンションの価格が下がらないことを意味しています。

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