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カツラを忘れた課長を見て…若手のヒトコトに職場が凍りつく

学び

人事異動のタイミングで営業職に

「鈴木くんの天然ぶりに、同僚イケメンの安田くんが『失礼だろ』とたしなめました。すると課長もはっとなって、『鈴木、おまえな、人が傷つくことを平気で口にするヤツがいるか』とあきれ顔。

 でも、鈴木くんは課長に謝罪するわけでもなく『今日も暑いっすね。さて、仕事仕事……』と自分の席に着き、クールな顔つきで仕事にとりかかりました」

 課長のあきれ顔が次第に、あきらめた表情に変わっていったのを周囲がわかると、やっと業務がいつも通りに流れていきました。

「この出来事はたちまち噂話として広がりましたが、数年たった今でも伝説のように語られています。この件がきっかけかわかりませんが、鈴木くんは後日人事異動のタイミングで営業職になり、かなり優秀な人材として活躍しています」

大物ぶりに社長も、課長も苦笑い

クールビズ

 現在も営業のトップを走り、社長賞も受賞した鈴木くん。

「人の目を気にせず、表裏なく何でも素直に言える性格だからこそ、信頼が高まるのかもしれません。クライアントからも好かれています」

 一方、鈴木くんをたしなめたイケメンの安田くんは、当時いた部署に在籍したまま、チームの足をなるべく引っ張らないように、要領よく立ち回っているそうです。

「あっけらかんとした鈴木くんの大物ぶりも、社長の目に留まったようで、今は嘱託で働く課長も『あいつは食えないやつだ』と苦笑いしていたようです。それが本心か、どうかは定かではありませんが、憎んでいなかったことは確かです」

特集・「俺流クールビズ」でやらかした!

<取材・文/夏目かをる 取材協力/矢加部英達 イラスト/パウロタスク(@paultaskart)>

コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛&婚活&結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。『週刊朝日』『日刊ゲンダイ』「DANRO」「現代ビジネス」などで執筆。
Twitter:@7moonr

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