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入社式にTシャツとジーパンで参加も…。新入社員があきれた、アパレル業界の体質

学び

個性を生かすために…見つけた職種は?

 二度と就職で失敗しないために、尾崎さんは自由な社風で、社員の個性を尊重してくれるようなアパレル会社を調べました。すると、キャリアアップを図るなら、「アパレルMD(マーチャンダイジング)を目指すべきだった」とわかったそうです。

「一言でいえば、商品ラインアップやスケジュールの企画を立てて、具体的な販売戦略の構築を行う役職です。ある意味、そのブランドの司令塔のようなもので、アパレルの根幹となるような大切な仕事です」

 MDは「何が売れるのか」を予測するために、市場調査やトレンド調査などを行って、情報の収集と分析をします。自社製品の売れ行きやライバル会社の動向はもちろん、店舗の状況などを考慮しながら、企画構想を取りまとめます。

「デザイナーや商品企画スタッフたちと一緒に企画の構想を取りまとめ、商品として具体化していくのですが、素材やデザイン、価格、生産、予算などを多角的に考慮しながら、緻密な販売計画を立てていきます。また、デザイナーと販売スタッフを繋ぐことも、MDの重要な役割です」

多忙な中でもやりがいを感じられる

ビジネス スーツ

 尾崎さんは会社を辞めるにあたって、「アパレルMDになる」という目標を掲げ、第二新卒に臨みました。そして、見事、やりたかった仕事ができる職場から内定を獲得できたそうです。

「僕が前職でどれだけオフィスファッションに不満を持っていたかを話したら、面接で、その熱意が上司に伝わったそうです。新しい職場では、そこの会社が販売しているブランドの服を身に着けて働いています。そのおかげで、商品ラインナップを考えるときも、すぐにアイデアが浮かび、多忙な中でもやりがいを感じられています」

 自分の意志を貫き、アパレルMDという肩書きを手に入れた、尾崎さん。そのやり方は決して誰でもできるものではありませんが、さらに上を目指すという、その姿勢は見習いたいですね。

新入社員の身だしなみ、大丈夫?

<取材・文/夏目かをる 取材協力/矢加部英達 イラスト/パウロタスク(@paultaskart)>

コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛&婚活&結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。『週刊朝日』『日刊ゲンダイ』「DANRO」「現代ビジネス」などで執筆。
Twitter:@7moonr

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