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ウソで塗り固めた「一流人材」が、我が社の面接にやってきた

学び

応募者のSNSを調べたらウソだらけ

「彼を含む、約20名の面接を終え、そこから誰を最終選考に残すかを上司である営業部長、それと人事部の人間で話し合ったんです。

 私と部長は『彼は絶対残すべき』と主張しましたが、人事部の若い担当者は『でも、この経歴ってなんか胡散臭くないですか?』って冷静に言い放ったんです」

 そこで彼の本名をネットで検索してみると、あっさり本人のものと思われるフェイスブックがヒット。そこに記されていた出身大学は、男性の学歴欄に書かれていたのと別の大学だったそうです。

「Fランク大とはいいませんが、中の下クラスの私大。それも本人の投稿などから留年していたことがわかりました。出身高校については分かりませんでしたが、職歴も同じSNSで調べたら前職は中古車販売店の営業。外資系でもコンサルでもありませんでした」

面接の場でウソを見分けるのは難しい

後悔

 当然、男性は不採用。武田さんにとっては面接する側の難しさを痛感した出来事になったようです。

「自分の人を見る目の無さを恥じるばかりです。後で調べればある程度分かるにせよ、面接の場で相手の言っていることが事実なのかを見分けるのは難しい。田舎モンだからダマせるだろうと思っていたのなら本当に悔しいですね」

 でも、そんな経歴詐称男性にもひとつだけスゴいと思うことがあったそうです。

「英語です。TOEICのスコア870点とあり、これも今となっては眉唾物ですが、試しに英語でいくつか質問してみたのです。私も少しだけ話せるのですが彼の話す英語は発音もキレイでした。

 ウチの社内にこれだけ英語を話せる人は正直どれだけいるかというレベルでした。まあ、語学力を仕事で生かすような場面はほとんどないですけど(笑)」

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