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“元女性”の26歳男芸人・前田かずのしん「LGBTって言葉は好きじゃない」

暮らし

カズレーザーが発端「レインボーTV」とは?

――現在、前田さんはLGBT芸人によるバラエティ番組「レインボーTV」(ニコニコ生放送)にメインで出演しています。これは前田さんきっかけでスタートしたんですか?

前田:いや、カズレーザーさんと本日は晴天なりさん……あと、ビッグタスクの松元よしのりさんの3人が発起人ですね。4年くらい前のあるライブの打ち上げで、「バイセクシャルって金髪多いよね?」みたいな話になったらしくて。当時、カズさんと本日さんのどっちも金髪だったんですよ。

 で、「こういう人たちでトークライブやったら面白いかも」って流れから、「だったら、おなべの前田ちゃんも呼ぼうよ」みたいな感じで僕も加わることになったんです。

――意図せず前田さんに回って来たと(笑)。ちなみに番組の反響ってどんな感じですか?

前田:基本的には知り合いが見てくれてるのでアットホームな感じですね。ただ、はじめましての人からは「なかなか聞けない話だから面白いです」みたいなコメントもあります。配信番組だし、気負いもないので、楽しんでやらせてもらってます。

「そういえばお前女だったな」が最高の理解

前田かずのしん

LGBTって言葉はあんまり好きじゃない

――前田さんはLGBT芸人と一括りにされることに違和感はありますか?

前田:違和感はないですけど、LGBTって言葉はあんまり好きじゃないですね。LGBTに収まらない人も多いし、「FtM」(Female to Maleの略。身体的には女性であるが性自認が男性)とか「GID」(Gender Identity Disorderの略。性同一性障害)とか難しい言葉にすることによって、なんか“特別感”を持たせられている感じがするんですよ。もっと身近な言葉でいい気はしますね。

――確かにFtM、GIDという言葉からは温度感みたいなものが感じられない気はします。

前田:LGBTに対する理解っていうのも難しい話で。例えば「心が男性だから、男性として扱ってあげなきゃ」みたいな感覚を理解と呼ぶ人もいる。けど、僕は“元女性”ってイジられることに何の抵抗もないし、むしろ自分にしか受けられない“愛あるイジり”だから嬉しいんですよ。

――性別の前に“人”として理解してくれているってことですよね?

前田:はい。だから僕は「そういえばお前女だったな」って言葉が一番嬉しいんです。LGBTを言わずもがな、男でも女でもなくて“前田かずのしん”として接してくれている証拠じゃないですか。個人的には、この感覚がLGBT当事者に対する最高の理解だと思いますね。

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