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年収1600万円、27歳タワマン社長が思う「本当のお金持ち」とは

コラム

成功している人はお金に対する嗅覚が鋭い

 消費者庁が発表した「平成29年版消費者白書」でも、1か月あたりの可処分所得に占める消費支出の割合は、1984~2014年の30年間で、ゆるやかに減少しており、特に20代、30代前半の若年層の減少幅が大きい。斎藤さんもかつての大人世代に比べ、消費に熱心というわけでもないそうだ。

 その一方で、「どうやったらお金持ちになれるか」をいつも考え抜いているそうだ。それほど、斎藤さんには彼なりの“稼ぎ方の哲学”がある。

「自分の給料を上げたい人って、英語を勉強したり、資格を取ったりしますよね。エクセル爆速仕事術みたいな(笑)。でも、あれって時給1000円を1200円にするための技術で、本質的にはムダなんです。必要なのは『お金を稼ぐセンス』を極めることです」

 それでは、経済知識を磨くために「投資」を勉強するのだろうか。そう聞くと、「それも違う」ときっぱり否定されてしまった。

「本でいくら投資の勉強をしたところで、ゴールドマン・サックスのアルゴリズムトレードには勝てない。投資の世界も知識や技術だけでは、テクノロジーに敵わないんです。僕が言いたいのはセンスの話。成功している人はお金に対する嗅覚が鋭いんです。彼らを観察して、どうやって稼いでいるか? なんで稼げているのかを考えるのが大事で、いきなり投資や英語を勉強するのは貧乏人なんです、残念ながら」

お金持ちや偉い人に接近する殺し文句

交渉 笑い

画像はイメージです

 

実際、斎藤さんは大金持ちの超成功者を何人も見てきた。そして、彼らの近くでは「カネが唸る音」が聞こえてくるそうだ。

「たとえば中小のIT起業家とか、建設会社社長って、めちゃくちゃ稼いでお金持っているんですよ。彼らはスキルが高いわけでは全くなくて、コミュニケーションがうまくて人を動かせているだけ。で、彼らがどうやって儲けているのか? 困難な交渉をどうまとめ上げているのか?って現実的だし、ネットで変に持ち上げられている人の情報よりよっぽど役立つ」

 とはいえ、そんなお金持ちや偉い人に接近し、親しくすることは簡単ではないはず。そこで最後に、斎藤さんなりの偉い人と仲良くなるコツを聞いた。

「対応を逆転すること、金持ちや成功者にはあえて生意気に行くことが鉄則です。結局、お金持ちって褒めているだけだと印象に残らない、若者なら多少生意気でも好まれます。ただ、大切なのは貶しているフリをして褒めること。たとえば『ちょっとそれ、大胆すぎません!?』みたいな。これなら貶しているようで、いい意味にも解釈できます」

 年収1000万円、そう言われると確かに高年収に聞こえる。しかし、平成生まれの1000万円プレイヤーの斎藤さんは、稼いだお金を決して浪費するわけでなく、よりシビアにお金と向き合っていた。

 もしかしたらそれは、生まれてからずっと低成長時代を過ごしてきた平成生まれならではのお金に対する行動と意識なのかもしれない。

<取材・文/詠祐真>

株式会社扶桑社第二編集局SPA!Web編集部「bizSPA!フレッシュ」編集長、詠(ながみ)です。映画と音楽が好きです。

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