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立憲民主党が議席減。辞任する枝野代表の「現場を変えた功績」を今こそ振り返る

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 2021年10月31日に投開票された第49回衆議院議員選挙は、自民党が単独で絶対安定多数となる261の議席を確保。連立を組む公明党も32議席を獲得しています。一方、野党連合の名の下に候補者の一本化を進めた立憲民主党は改選前議席の109を下回る96議席にとどまりました

枝野

2021年の衆院選は応援演説で各地を回り、最終日の夜に大宮駅東口で自身の選挙活動をした

 選挙は結果がすべてです。そのため、翌日から枝野幸男代表の辞任を求める声があがり始めました。そして、福山哲郎参議院議員が幹事長を辞任。さらに翌日には、枝野代表も責任を取る形で代表から退くことを表明しました

 今、立憲民主党は今後の方針をめぐって揺れに揺れています。首相官邸や政界の取材歴が10年超のフリーランスカメラマン小川裕夫@ogawahiro)が、立憲民主党や枝野氏がたどってきた足跡を解説します。

与野党対決が鮮明だった衆院選

 10月31日に投開票された第49回衆議院議員選挙、野党はバラバラに選挙戦を戦うよりもひとつにまとまって戦うことを選択。立憲民主党・共産党・社民党・れいわ新選組が小選挙区の候補者を調整して、多くの選挙区で一本化が実現しました

 これにより、今回の衆院選は与野党対決が鮮明になり、野党第一党である立憲民主党は、“変えよう。”をスローガンに政権交代を目指しました。野党内には、考え方が異なる政党が一致団結しても意味がないと冷ややかな意見がありました。

 そうした部分があることは否定しませんが、東京8区では国土交通大臣や自民党幹事長を務めた石原伸晃候補が立憲民主党の新人・吉田晴美候補を相手に敗北。比例復活も叶いませんでした。

候補者一本化は成功したとは言い難い

枝野

今回の衆院選は野党で候補者を一本化。東京8区は、その象徴だった

 ほかにも、神奈川13区では立憲民主党の新人・太栄志候補が、自民党の幹事長だった甘利明候補を、香川1区では小川淳也候補が初代デジタル庁の大臣を務めた平井卓也候補を相手に小選挙区で勝利。甘利・平井両候補は比例復活していますが、こうした部分に野党共闘の成果は現れています。

 とはいえ、それは一部に過ぎません。全体的に見れば、立憲民主党は議席を減らしました。その一因として、立憲民主党の支持者の間に他党と共闘することへの戸惑いがあったことが挙げられます。

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