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キャリアや学歴だけでは足りない。やっぱり転職活動で「人間性」が問われるワケ

学び

言葉の使い方から人間性を見られる

 華々しい学歴や実績があるにもかかわらず、転職がうまくいかない人がいます。私が見るに、そうした人に共通するのは、「アピールの仕方に問題がある」ということです。

 たとえば、実績をアピールするにしても、職務経歴書に書いたままに「私がこうしたプロジェクトを牽引し、成功に導きました」と言ってしまうと、聞いている方としては、少し嫌な印象を持ってしまいますよね。

高本尊通

高本尊通氏

 ここで、「私の力だけではなく、周りのメンバーから協力を得たおかげで成功させることができました」という言葉に変えるだけで、印象はずいぶん変わります。言っていることはほとんど同じなのに、受ける印象が違うのは、そこに”周りへの気遣い”が感じられるからでしょう。

 特に、私がヘッドハンターとして携わるのはマネジメント層が多く、部下を持たされることも多いため、「自分一人でやった」という態度を取られると、管理者としては不適格と見られかねません。

 私の経験上、人間性においても優れた人は、仕事の実績も素晴らしいと考えています。しかし、これは当たり前の話なんです。企業を構成しているのは人間ですから、いくら優秀であっても、会社員として出した成果には、関わっている上司や同僚などの力が影響しているはずです。

 本人がそのことを意識せず、「自分1人で成果をあげた」と信じ、しかも態度に表していれば、転職活動の障害となることは避けられません。採用企業は「どういう人間と一緒に仕事をしたいか」ということ考えながら採用活動を行なっています。

 転職活動において、過去の成果をアピールするのは必要ですが、表現の仕方から見える”人間性”を、実は見られているのだということを意識してみましょう。

<構成/小林義祟>

1972年3月7日生まれ。大学卒業後、パソナに入社。大手特別法人営業グループ責任者を経て、企画、アライアンス、業務改革担当として活躍後、2004年、株式会社プロフェッショナルバンク設立に参画。これまで約7000人あまりのキャリアに携わり、特に30代、40代の転職市場の現場に長く携わってきた。2012年にビズリーチ社の「日本ヘッドハンター大賞」、同年から2年連続で「リクナビNEXT AWARDMVA」を受賞するなどし、16年にはビズリーチ社によるヘッドハンターランキングで約1500人中第1位を獲得している

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