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副業で“官能小説家”になった地味な26歳OLの意外な転機「悔しくて泣けてきた」

コラム

「私は何をしているんだろう」

 まりえさんがヒートアップし始めます。

「小説を書くこともあきらめて、工場や仕入先に頭を下げ続けて、納品前は常にストレスでお腹が痛い状態で仕事をしている自分が情けなくなってきたんです。私は何をしているんだろうって。でも、突然仕事を辞めるわけにもいかないので、とりあえず小説を書こうと思ったんです

 ただ『書く』といってもゴールが見えないので、私は2年間の期日を決めました。2年間はとにかく小説の賞に応募して、なんでもいいから結果を出すことをゴールにしたんです。『1か月に1本、どんな駄作でもいいから書きあげて応募する』と誓いました」

大変だったけど充実感に満ちた日々

未来

 本業が忙しいなかで、どのように1か月に1本の作品を書いていたのかを聞いてみました。

「出勤前・お昼休み・退社後。全ての隙間時間を使ってとにかく書きましたね。休日はひきこもりです。すごく大変だったんですけど、充実感に満ちていました。生活にメリハリも出てきて、本業のモチベーションもあがりました」

 朝、早起きをして小説を書き、業務効率を上げ残業を減らすことで「生活も規則正しくなった」とまりえさんは言います。

「とはいえ、結果は簡単にはでませんでした。書き続け、出し続けて1年が経ったんですが、一次選考までは通るもののそれ以降は全く進まないんです。それで、何を血迷ったか、ふとエロ系の小説を書いて官能小説の賞に応募したんです。ちょっとした気分転換のつもりでした」

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