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優秀なだけではNG…グローバル企業創業者が新規採用で重視する「4+1つの能力」

学び

「協働力」「ハードワーク」もう一つは?

3. Collaborative – 日本語で言うと「協働的」ですが、「チームワークを重んじる人」という表現のほうがわかりやすいかもしれません。自分だけ、自部門だけで完結できる仕事は少なく、相手の気持ちになり、敬意を払い、軋轢を可能な限り減らしスムーズに仕事を進められる人が評価されるとのこと。

4. Hardworking – ハードワークができる人。もちろんブラックな働き方を推奨するわけではありません。ただ、新しいサービスをゼロから立ち上げる際、なりふり構わず仕事に集中しなければ、なかなか成果があげづらいのは確かです。家族やプライベートも大切にしながら、成果にコミットできる人は高く評価されます。

 さらに追加でひとつ、最近日本でもよく聞くようになった「レジリエンス」です。日本語訳がなかなか難しい概念なのですが、「しなやかさ」「回復力」に近いかもしれません。どんな優秀な人でも、いつでもうまくいくわけではないし、それこそコロナ禍や現在のグローバル不況のように、どうしようもない状況が襲ってくることがあります。

なぜ「レジリエンス」が必要なのか?

キャリア

 そんなときにベコベコに凹んでパフォーマンスがダダ下がりになったり、追い詰められて苦しそうな雰囲気をチーム全体に蔓延させてしまうと、さらにパフォーマンスが下がる悪循環に陥ります。

 そんなときでも、苦しい状況を直視し、課題を言語化し、「こうやったらうまくいく!」と前向きにチームを鼓舞できる、そんなレジリエンスをもった人材が特に重要になっている、とのことでした。

 Julian曰く「この要素をすべて有している人材を見つけ出すのは簡単ではない」とのことでした。ただ、少なくとも5つのうち4つは備えていないと、革新的なサービスを作り、世界に広げていこうという野心を持っている会社で働くのは難しいのではないかとも言っていました。

 周りの人に「この5つの中で、自分が持っているもの、持ってないもの、何があるか率直に評価してほしい」とお願いし、そのフィードバックをベースにどこをさらに伸ばすか考える、というのも良いかもしれませんね。

<TEXT/Zenyum Japan代表取締役社長 伊藤 祐>

外資系デンタルケア企業の日本法人Zenyum Japanの代表取締役社長。「口腔ケア領域で、最高のSmileのための最高のサービスを提供し続ける」という会社のミッションを推進するかたわら「グローバル企業の日本法人経営者」という新時代のキャリアを普及させるべく、講演や執筆活動に積極的に取り組んでいる。X(@TasukuIto5)、noteなどでも積極的に発信している。2023年(令和5年)3月にビジネス書〈得する説明 損する説明〉をSBクリエイティブ社より上梓。

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