50億円の損失も…「貸会議室の最大手」が下した“損切り”は英断か
メリットが大きいかと思いきや…
ティーケーピーは、2013年に老舗弁当製造会社の常盤軒から仕出し弁当事業を買収していました。弁当の製造工場などを手にしたのです。これにより、会議室の利用者にケータリングサービスを提供できるようにしました。
リージャスの買収によって食事を提供する顧客の数が増えれば、弁当の製造工場の稼働を上げることができます。事業ポートフォリオの拡大と顧客数の増加は、ティーケーピーにとってメリットの大きいものでした。
買収によって20億円もの償却費が発生
ただし、身の丈に合わないものだったことも確かです。ティーケーピーは買収後の2020年2月期に396億7100万円ののれんを積んでいます。この金額は当時の純資産額358億円を上回るもの。長期の借入金も250億円から520億円へと急増しました。
ティーケーピーは日本の会計基準を採用しており、のれんの償却費が発生します。2021年2月期ののれんの償却費は21億8700万円。20年程度をかけて消却しようとしていたことがわかります。
連結した時点での日本リージャスの経常利益は26億1000万円。リージャスの利益はのれんの償却費で消えることになります。ティーケーピーの収益性が落ちるのは明らかでした。